幸福について―人生論 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102033012

感想・レビュー・書評

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  • 終始上から目線、自己中心的な論述であり、何度か叫びながら投げ破りたくなった。
    特に哲学が、最も高級な幸福であると自分で言うのはいかがなものか。(他の立場を味わっていないのに)
    ただ、今後の人生に参考にしたい考え方も多分に含まれていた。
    名誉というものは、必ずその窮極の根底においては、道徳的性格が不変なものだという確信の上に基づくものであって、道徳的性格が不変であればこそ、ただ一回でも悪行があれば、その後それと似た状況に置かれた場合のすべての行為がやはり道徳的に見て同じ性質のものであろうという断定がつくのである。
    苦悩は積極的なものだが、幸福は消極的なものにすぎない
    自分でも自分のあり方よりもましだと思うようなあり方に見られたいと思っているからには、その意味で、気取りは自分が自分で自分にくだす永劫の罪の判決だからである
    人の一生はおびえ慄えて縮むほど大事なものではない。

  • ショーペンハウアー曰く、

    いずれにせよ、知り合ったばかりの人間を非常によい人間だと思ったりしないように、細心の注意を払うがよい。そうでなければ、ほとんどすべての場合に失望させられ、われながら恥ずかしい思いをしたり、はなはだしきは損害をこうむったりするであろう。

    ここで次の点をも考慮に入れておくがよい。すなわち緊張を要しないような些細なことに、人間はかえってその性格を現すものだが、こういうときに、かりそめの行為やちょっとした態度に、他人をいささかも顧みない底抜けの利己主義を十分にうかがうことができ、後に大きな問題にぶつかると、事実その利己主義が、仮面をかぶっていても、おのずから現れるものだということである。(p.222)

    と…。

    オトナならば、誰でも知っているようなことでも、ショーペンハウアーが述べるととても似あう。堂々としているところが、やや憎らしい。。

    また曰く、

    さて、われわれが交渉をもち、あるいは交際している人間が、不快な態度ないし腹の立つような態度をとった場合、今後幾度か同じ態度を、しかも輪をかけてとられても我慢する気もちになるくらいに大事な人間であるかどうかを、心に問うてみさえすればよい。

    その人がそれほど大事な人間なら、何を言ってもまずどうにもならないのだから、それについて言うべきことはあまりない。小言を言うなり、言わぬなりして、事を水に流すほかないが、しかしそれはもう一度やってくれと頼んだも同然だということを覚悟するがよい。

    反対に、それほど大事な人間でなければ、即座に、かつ永久に、この親友と断行するか、召使なら解雇するかしなければならない。(p.223)

    と…。

    Tell me about it...

  • 初のショーペンハウアー。ある著書の一部抜粋らしい。幸福についてというタイトルも、後付けだということ。しかし読むことにこれほどほねおれるとは思わなかった。「人間が幸福を追うことは一大迷妄である。しかしそれを気付かせないままに、正しい方向に導いていこう。幸福を追うことが迷妄なのだから、それを導くやり方もユーモアや冗談でなければならない」印象に残ったままに書きましたが、この一文からあまり全く共感行かないままだったので、読みながらもほとんど全く頭に入らなかった。幸せを支える一番の要素は健康。健康第一それを損なわないようにいかに人生を楽しむか。処世術だったとしても、立場が全く他人事のようにしか聞こえなかった。人を導くにはどんな立場であれ、もっと真剣であってほしい。


    09/6/24

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