- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102137031
感想・レビュー・書評
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冒頭からペーシェンス・サムの語り口に笑ってしまって、どんどん好きになってしまった。まずこの一節で心を掴まれた。
「わたしは極めて働きのいい頭脳を持っている。それからまた、わたしの主な魅力のひとつは、『お転婆であけすけ』なところだとも言われている。もちろんそれは嘘っぱちで、この記録を読んでゆくうちに、完全に爆砕されてしまうにちがいない。(p6)」
しかも、なんとこの彼女は、かのサム警部の娘さんだというからもう驚いた!
「わたしの父、すなわちあの偉大な、図体の大きい、ぶ男のサム警部(p7)」
旧来の知人にあったような嬉しささえ彼女に感じる。彼女は頭が良く、推理力もあり、活動的、そしてなによりマネキンにも負けない均整の取れた身体というから素晴らしいヒロインの登場だった。登場人物に親しみを覚えるというのは、小説を読む上で、特に冒険がある物語ではかなり嬉しいことだ。素晴らしい道行は同行人で結構決まる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レーンもの順番に読んでますが一番おもしろいと思った。
論理パズルが解けたときのスッキリ感。 -
サム警部の娘ペーシェンスが主人公だー!
しかもレーンも認める切れ者ときた。
Yの悲劇から10年ほど経ち、レーンはすっかり年をとった…
かと思いきや、あの頭脳は健在。
さらにペーシェンスの行動が事件を切り開いていく。
X、Yから趣向を変えてきて戸惑う部分もあったけれど、
読者とのフェアプレーの精神はやはりお見事(そして敗北)。
最終巻はレーン最後の事件。どんな結末が待っているのか楽しみ。 -
(1984.08.14読了)(1979.11.18購入)
*解説目録より*
次期選挙に立候補した上院議員が自宅の書斎で何者かに刺殺され、その机の上にはHEと金文字で書かれた黒い小箱が置いてあった。しかも殺害者は左ききらしく……。〝へジャスの星〟をめぐる四悪人の運命の絡み合いに挑んで、敏腕サム警部とその愛嬢ペーシェンス、老齢の名探偵レーンなどの息づまる死闘が展開される。
☆E.クイーンの本(既読)
「Xの悲劇」E.クイーン著・大久保康雄訳、新潮文庫、1958.10.30
「Yの悲劇」E.クイーン著・大久保康雄訳、新潮文庫、1958.11.15