ヒア・カムズ・ザ・サン

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5269
感想 : 758
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103018742

感想・レビュー・書評

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  • 長かった冬に別れを告げ、春が来たことを歓迎する。
    ジョージ・ハリスン(ビートルズ)の「ヒア・カムズ・ザ・サン」からこの本のタイトルを取ったのかな?とふと。

    『ヒア・カムズ・ザ・サン』
    『ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel』
    の2編。

    真也は30歳。出版社で仕事をしている。
    幼い頃から、品物や場所に残された、人の記憶が視えてしまう。視ることができてしまう。
    それだけが共通の題材。それ以外は異なるお話。

    異能者の苦悩を描いた物語...ではなく、長い間すれ違っていた人の想いに温かい日差しを届けるお話です。

    『ヒア・カムズ・ザ・サン』と『ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel』。
    好き嫌いでいうと『ヒア・カムズ・ザ・サン』の話が好き。
    だけど印象に残るのは『ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel』。

    Parallelにある「親を許す前のいっこ段階がある。親を諦める。」に自分を重ねた。
    「愛している」という言葉が物語に彩りを添えた。


    有川浩さんらしさが薄口な物語でした。

  • 真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やかに。ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた…。わずか7行のあらすじから誕生した二つの小説。大切な人への想いが、時間と距離を超え、人と人とを繋げていく。有川浩meets演劇集団キャラメルボックス。小説×演劇の全く新しいクロスオーバーから生まれた物語の光。
    「BOOK」データベース より

  • たった7行のあらすじから、有川浩が完全オリジナル小説「ヒア・カムズ・ザ・サン」と、演劇集団キャラメルボックスの劇作家 成井豊の舞台から着想を受け創作した「ヒア・カムズ・ザ・サン Parallel」を収録。

    こういうお題を与えられて創作するのって、一から紡ぎ出すのに比べたら敷居が低いというか、自分にも書けそうな気がしてしまう(錯覚)。実際出版社のエントリーシートや筆記試験にはお題ありの短編創作課題があった。配点がどれくらいかは分からなかったけど・・・

    相変わらず有川さんの作品は熱いです。
    日和ることを弾劾するキャラクターは共通、自身のフィールドでもある作家と編集者の関係の描き方は有川さんと関わる編集者の皆さんにとっては耳が痛いんじゃないかしら。。

    あらすじは下記の通り。
    出版社で編集の仕事をしている古川真也。彼は幼い頃から、品物や場所に残された人間の記憶が見えるという特殊な能力を持っていた。ある日、真也は同僚のカオルと共に成田空港へ向かう。カオルの父が20年ぶりに帰国したのだ。彼はアメリカで脚本家として名声を得ているはずだったが、真也には全く違う景色が見えた。

  • Parallelねぇ
    いろいろ面白いことやりよりますねぇ
    きっと有川浩さんという人は止めどない好奇心の持ち主で自分の好奇心にとても素直でその好奇心の先へ疑いなく進める人なんだ
    と思う
    ぜんぜん違うかもしれないけどたくさんの有川浩作品を読んで自分はそう思いました
    それでいいのだ

    ヒア・カムズ・ザ・サン
    もちろんビートルズの名曲だ
    この物語はヒア・カムズ・ザ・サンの意訳ともいえる
    楽曲ヒア・カムズ・ザ・サンを聞いてから読んだらまたちょっとこの物語に深みが加わる…かもね!

  • 7行のあらすじから、2つの物語が生まれた、そうで
    2つの作品がのってた。

    有川さんらしく、期待を裏切らいない
    好青年、真也くん、は共通だけど。

    ダメダメなお父さんは、ダメダメすぎてツライ。
    なので、好みは最初のだなぁ。


    サクサク読めちゃう、2作品。
    さらっと読むにはいいかな。

  • たった7行のあらすじから、有川浩が小説を、劇団キャラメルボックスの成井豊が舞台のストーリーを書く、と言うちょっと変わったコンセプトで作られた作品。主人公の真也は触れたものから、過去が見えてしまうと言う特殊な能力を持つ編集者。恋人・カオルの父親がアメリカから戻ってくることになり…前半は有川浩のオリジナル。後半は有川浩が舞台から発想を得て、書いた作品。どちらも親子の絆を描いているが、前半の方が夢があって、私は好き。

  • 7行のあらすじから生まれた話と、そのパラレルワールドのお話二つ。

    有川さん特有の甘さを求めて読むと、外れかもしれないが、お互いを想う家族のもどかしさがよく描けていると思う。
    う~ん、どうだろう?面白いのは面白いけど、いつもの有川さんと比べるとやっぱりちょっと物足りない感じ。

  • 題のサンは「太陽」と「息子」の二つの意味かしら。スペルでは「太陽」だけど。
    恋人とその父親のために奔走する将来の義理の息子の話。

    前半にでてくる安藤編集長や週刊誌上がりの後輩長島が嫌な感じ。その印象が強くていい話で終わったのに気分が晴れなかった。

    パラレルの方は話が単純な分、晴男の抱えていた痛みがまっすぐ伝わってきた。有川さんは人を描くのが本当に上手い。

  • 2017(H29).8.26読了

    小作品。ライトに読める。

  • 同じ設定の話を二種類。A面B面とか羅生門的ではなく、同じ名前と構成だけど、キャラも人生も全く違うという目新しいパラレルワールドパターン。

著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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