「普天間」交渉秘録

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103266310

作品紹介・あらすじ

膨大な量の日記には、自身と相手の発言内容、そして行動の詳細が記されていた。それはまさに「普天間問題」の真相を繙く第一級資料だった-。防衛事務次官として、アメリカ、沖縄、永田町と対峙してきた著者が、日記をもとに今まで語られることのなかった全経緯を綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 普天間問題の根深さがよく分かる本。沖縄問題の根深さを感じさせられた。

  • 守屋氏によれば、グアム移転のみの外務省スモールパッケージ案に代わり、普天間移設合意見直しや岩国移転等を加えることを小泉総理に進言したのは彼であるという。防衛省任務について安全保障の文言を入れるのを外務省が反対していたことを含めて両省の確執が記述されており興味深い。
    また、小泉・チェイニー会談で2006年に、小泉が「大戦記憶を理由に、集団的自衛権の議論を国民が支持するのはまだまだ時間がかかる」と発言していることは今から見ると隔世の感あり。

  • これまで薄々思っていた、沖縄のやらずぼったくり交渉術について当事者の貴重な証言が得られた。

  • 沖縄が本当に解決しようとしているのか、$$本当に欲しているのはカネなのか基地の撤去なのか。$$今までの議論の過程も安全保障上の議論もなしに$$民主党やマスコミが沖縄被害者論に安易に傾くことがいかに馬鹿なことはよく分かる。$$すべての人に読んで欲しい。$$

  • 2010年刊。元防衛事務次官の手による普天間米軍基地移設問題の交渉記録。◆交渉とはいえ、沖縄県だけが相手でなく、政治家(自民党が軸だが自民党だけでなく、自民党も一枚岩でない)、米国、米軍、防衛庁、外務省、沖縄県民や移設先辺野古の地元等、多様な利害関係者が存在。そんな中、防衛庁側を定点とした交渉経緯を記したのが本書である。◇弱者の戦略を強かに展開する沖縄側の交渉の上手さ(狡いというより、上手く強かに振る舞っている印象)が目につく。また、一方からの本書だけで真相が見えてくるとは愚の骨頂、を肝に銘ずべき。

  • 官、政、財、そして地方がどう絡み合っての沖縄の基地問題かってのが見えてくる。ただ非常に政治色の濃い話が淡々とされてて、あんま面白くはないな。巻末の防衛論も白書を要約したかのような。

  • 面白かった。沖縄の基地問題というのもすごく複雑でなかなか通り一遍の理解ではわからないことが多いのだと思った。沖縄側が一方的な被害者なのかというとそれだけでない面もわかった。政治家の本当の姿も見られた。

  • 守屋さんからの視点ではあるが、普天間基地移設交渉の詳細なやり取りが実名で記載されており、非常に面白かった。

    率直な感想としては、ここまで事態が進展しないのは、政府と沖縄県及び名護市の双方に責任があると思った。
    沖縄県としては誰も責任をとりたくないのだなと感じた。

    これだけの国家巨大プロジェクトなので、この本だけではわからない動きや思いがあるのかもしれない。

    沖縄に住んからこそ、このような本を興味を持って読むことができた。

  • 事務方として普天間問題に対峙した筆者のリアルな交渉秘録。
    「普天間の謎」(森本敏著)との並行読み、対比が面白い。
    「利権絡みで暴走した防衛庁、守屋」と外務省は謳い、それに対し守屋次官は「利権の絡んだ沖縄の思惑」と言う。
    どっちも真実であって、どっちも真実ではないんだろう。
    沖縄の首長のリアルな本音、スタンス、交渉術も面白かったし、知事の本音と建て前も衝撃的。その辺はリアリティある。
    読めば読むほどこの問題は出口が見えない気も。いずれにしても考え続けなければならないし、全体の問題として捉える目が必要。
    それにしても、「防衛庁の悲願」の章はまったくもって意味不明。なんのための章だったのか…。

  • 普天間問題に関して大変勉強になった。テレビや新聞じゃわからないことだらけ。著者と対峙していた沖縄側の視点からの意見も知りたい。

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