関東大震災と鉄道

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 40
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103325611

作品紹介・あらすじ

駅は炎上し、旅客を満載した列車は海に転落した。89年前、激震と猛火に立ち向かった鉄道員たちの機転と勇気。

感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災では、過去の三陸大津波の教訓が風化してしまったことが話題になった。
    では首都圏で関東大震災の教訓が風化していないのだろうか。

    本書は関東大震災での関東の鉄道事情をまとめたものだ。
    当時の鉄道マンたちの健闘ぶりが目に浮かぶ。駅や車両を守り、避難民を助ける。帝都から無賃で避難列車を運行する。早期復旧への努力。
    東日本大震災の際のJRの対応はどうであったろうか。

    読んで印象的だったのは、避難民への沿線の人たちの無償の援助だ。
    被災地を抜けると各駅で弁当からお茶、タバコまで配られる。
    タバコは一本をみんなで回して吸う。子供のためにお菓子をくれといえば、その子へと車内を手渡しでお菓子が届けられる。

    状況は違うにしても東日本大震災でも助け合いが見られたことは、やはり日本人のいいところなのだろう。

    この本は、当時の被害状況から今を考えるいい機会になるかもしれない。

  • 1923年(大正12年)、今から89年前に関東を襲った大震災の様子を、鉄道・駅などの記録を中心に伝えています。あなたの首都圏直下型地震への備えは万全ですか?

    The Great Kanto Earthquake struck in 1923. Have we made preparations for severe earthquake?

  • 資料番号:011481546
    請求記号:686.2/ウ

  • 関東大震災の鉄道事故。震災に遭遇するにしても満員電車の時はヤダな。巣鴨駅長は自警団で朝鮮人虐殺に関わって逮捕されたそうだ

  •  割と軽いタッチで書いてある。著者は、旅行者勤務後、フリーの作家になったようで、なるほどと思う。

     注意しないといけないと思った点。

    (1)当時は鉄道がほとんど唯一の旅客の輸送機関であったが、9月3日午後3時半に鉄道省運輸局長通知で、公務のもの、自ら食料をもっているものなど以外の切符販売を禁止する通知をだしている。それでも入京者が増加して混乱を著著したと記述してある。(p196)

     首都東京の中枢機能を維持するのに大変なのに、確かに外部から心配してたくさんの人間が入ってきたら混乱する。現在は、道路、航空機、鉄道と様々なインフラが用意されているが、現行法制で、きちんと緊急事態で、東京流入を抑制する仕組みはあるのだろうか。

    (2)逆に、東京になければいけない機能以外は他の地域に移転した方が適切だが、地震発生直後の広域的な避難のための旅客移動手段の確保というのはどういう状況なのだろう。

     関東大震災のときは、9月30日まで一月間鉄道運賃を無料にして関東から移動を促進したようだが。

    (4)関東大震災のときには、神奈川県の山岳部の土砂崩れ、神奈川県沿岸、熱海など静岡沿岸に相当の津波が押し寄せ、鉄道ごと海中へ崩落する被害をだしているが、このような被害は今後も生じるのではないか。(p56)

     この本を読んで、首都直下地震による、津波・土砂災害を忘れないようにすることと、発災直後の緊急時の物資と人の流動の管理を適切にする必要性を強く感じた。 

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。早稲田大学第一文学部心理学科卒業。実業之日本社でブルーガイド編集長などを務める。国内だけでなくイタリアなどのガイドブックも編集。また自身が編集したガイドは台湾・韓国で翻訳出版されている。主著『明治大正 凸凹地図 東京散歩』(実業之日本社、2015)、『東京鉄道遺産100選』(中公新書、2015)、『関東大震災と鉄道』(新潮社、2012)、『「水」が教えてくれる東京の微地形散歩』(実業之日本社、2013)ほか。

「2018年 『外国人が見た日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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