ブラッドライン

著者 :
  • 新潮社
3.64
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本棚登録 : 374
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103343813

感想・レビュー・書評

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  • 螺旋の手術室 と同じ本です。

    医療と殺人と差別がテーマかな。
    意外と重い話です。

  • 「手術室の悪夢」
    簡単で確実なはずのオペが。
    自分のミスを認めたくないのは分かるし、もしかしたら彼のせいでは無かったのかもしれないがそれを他人のせいにしようとした時点で首謀者と同じだろうな。
    見ようとしなかった世界の中で次々亡くなる医師たちは、何者の手によってこんな簡単に殺されているのだろう。

    「血塗られた教授選」
    自分の手で少しずつ情報集めを。
    彼の周りにいる人たちの情報量も凄いが、確実に必要な情報を探し当てる彼こそある意味探偵の才能があるのではないだろうか。
    大切な息子の婚約相手の家族が加害者としてスキャンダルされた時に騒ぐなら分かるが、あくまでも彼女の家族は被害者であるのによくそんな暴力的な言葉ばかり口に出せるな。

    「錯乱のメス」
    辿り着いたと思った全ての事件の犯人。
    警察よりも確実に真相に近づいていた彼だが、ボイスチェンジャーの持ち主が誰なのか特定出来ない限り事件は終わらないのだな。
    母親の甘い言葉ばかりを聞き自分を持たず生きていたからこそ、彼女にも非は有るかもしれないが簡単に母親の言葉を信じ酷い言葉で罵った彼も同罪に思えるな。

    「非情の診断」
    本当の真犯人の正体は。
    小さな村などだと未だにこの様な差別が続いている可能性もあるが、誰か一人でも手を差し伸べ病院に行き診断を受ける事が出来たら色々と変わっていたのだろうな。
    子供を守るためとはいえ、絶対にやってはいけない事はありそれに手を染めた事を知ったら簡単に割り切る事は出来ないよな。

  • 狐付が冒頭出てくるが何のことかわからなかった。最後にその理由がわかるとあビックリである。知念作品ブラッドラインも医師としての知識を十分に盛り込んでおり、多くの驚きがあった。幾分展開に無理な部分も感じられたが、ミステリーとして充分楽しめたし、医療小説としても彷彿させられた。意外な犯人にっもビックリである。

  • 親子の確執や教授戦、マスコミ報道に翻弄される人々と、盛り沢山の内容をうまくさばきちゃんと落としどころも作ってあって。
    医者の視点で書かれているせいかやっぱりオペ絡みの臨場感はさすが。
    謎解き部分は若干弱かったけれど、病気を含めた悲哀が全体を包む感じでこの作品も一気読み。

  • 知念さん2冊目。
    医学医療に精通した方の、それに係わる描写はなかなか読み応えがあります。
    ただ、青臭いシーン・会話がちょっと目立つのが、ありゃ?って感じでしょうか。

  • 神経難病の中には自動で手足を動かしたりする病気がある。それが病気だとわからなかった昔では、祟りだということで蔑まれてきた。現代で考えると、ハンセン病がまさにそのたぐいであろうか。 昔はこの病気が遺伝する(しかも男女関わらず)ということはわからなかったが、現代では遺伝することはもちろんわかってるし、子供はもっと早く発病することさえわかっている。 その事実を知っている主人公であるから、これから先の人生をどう考えるのか、そういう葛藤がもう少し描かれていると個人的には良かったと思う。

  • 先日読んだ「祈りのカルテ」が面白かったので、他の作品にもチャレンジ。
    事件か事故か。
    親子、兄妹の確執。どうすれば分かり合えるのか、それぞれの視点で物事を捉えられる表現をされていたのが、興味深く読ませていただきました。
    医学部教授選におけるライバルたちの競争や自己保身に走るも腕には間違いのない現教授。
    登場人物もさまざまなタイプがいて面白い。
    途中で止めるのが難しい作品です。

  • とてもオススメです
    犯人は最後まで分からなかったけど最後の終わりかたがしっくりきてよかった。
    母親や父親、そしてお腹の中に子供がいる妹たちの心情の変化や大きさを表現するのがとても上手く流石だなと思った。

  • 知念先生の2作品目。コロンボ風な彼はこの時点で居るんですね。

  •  推敲前の文章かと思うほど、読み辛いです。

     お医者様が書いているので、手術の臨場感がさすが。只、そんな事で何人も殺しちゃったの?って気はします。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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