左右田に悪役は似合わない

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103396833

作品紹介・あらすじ

この男がいるから現場が回る――名探偵の正体は、無名のオジサン俳優! 左右田始、職業俳優。ベテランだがその名を知る人は少ない。しかし脇役だからこそ見えてくることがある。低予算ドラマ撮影、子役オーディション、映画のレッドカーペットイベント……様々な現場で生じる謎を左右田は人知れずに解決していく。エンタメ業界の「あるある」もふんだんに交えながら描く、ライトミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 5篇からなる連作短編集。
    全く売れない端役の俳優左右田氏が撮影現場や打ち上げ会場で起きる不可解なハプニングを解決する。ささやかな人間模様が面白い。左右田氏を映像化するなら誰だろうと考えるのも楽しかった。

  • 【収録作品】2019年10月 消えもの/2019年12月 ライト/2020年5月 ステージママ/2021年8月 きっかけ/2022年10月 雲がくれ/エピローグ

    俳優の左右田始は50歳。演技経験は豊富だが、華がないため端役ばかり。しかし観察眼が鋭く、現場で起きたさまざまなトラブルをうまく解決に導く。

    「消えもの」 撮影で使われる予定のエクレアが消える。
    「ライト」 ドラマの打ち上げ会場で突然停電になる。
    「ステージママ」 ステージママが付き添っている子役が入れ替わっていた。
    「きっかけ」 舞台作品の衣装チェックの日にトラブルが起きる。
    「雲がくれ」 映画の完成披露試写会でレッドカーペットイベントに出るはずの主演女優が失踪する。

    左右田は、現場を維持するため、穏やかな着地点を目指して真相を究明する。その際、人と接するのにその場に相応しい役になりきるところが面白い。
    最後に大物が彼の活躍に気づいていることが明かされるが、「誰かが見てくれていて、いつか報われる」という形ならいいが、単にうまく利用されて終わるのではないことを願う。

    登場人物のキャラが立っているので、ドラマ化したら面白そうなのだが、どうだろうか。それこそ深夜ドラマで。

  • 「消えもの」
    「ライト」
    「ステージママ」
    「きっかけ」
    「雲がくれ」の5話とエピローグで構成された連作短編集。

    主人公は左右田始(そうだはじめ)、50歳、職業俳優。端役専門の無名俳優だが、長年に渡り芸能界の荒波を乗り越えて来ただけあって鋭い観察眼を持つ。

    様々な現場で生じる謎を左右田が名探偵のごとく、さりげなく解決に導いていく。

    役者としては華がなく残念なおじさんだけど、人との接し方に温かみを感じ決して出しゃばらない所に好感を持てる。

    派手な展開はなく淡々とした印象だがライトなミステリーを楽しみたい方におススメの一冊。

  • 短い話で読みやすい。そうだの人柄もよし。
    エンタメの話だけあって映像化したらよさそう。

  • 好き!!読み終わる頃には左右田さんが大好きになっている事請け合い。劇的な何かがある訳じゃないけど、人の優しさや心遣い、気持ちにそっと触れられる一冊。今年のベスト10に今からランクインかも。些細だけどそれぞれに悩み抜いた事件がある。

  • NHKの22時以降の時間帯でドラマ化されそう。草刈正雄さんとか(ダンディでモブ感が無いけれど)イケオジに主役をして欲しい。

  • 短編連載。もう少し、捻りがあったり、左右田さんの魅力があっても良かった気もするけど、モブキャラ感が良かった。

  • 芸能界における日常の謎ときもの。

    トリック重視というよりは
    ヒューマンドラマや心情描写に重きを置いたような
    印象で、ゆるっと読めました!

  • とても面白かった。主人公が良い。

  • こういう気の使える人が仕事場に欲しい!!
    地道に仕事をしてると運がついてくるもんなんだなと思った。

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著者プロフィール

東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。

「2020年 『二人がいた食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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