Team383

著者 :
  • 新潮社
3.63
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本棚登録 : 119
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103517412

作品紹介・あらすじ

何歳でも人生は面白い! 平均年齢76歳のメンバーの繰り広げる痛快青春小説。人生には3つの坂がある。数々の上り坂、下り坂を乗り越えて来た葉介に訪れた、人生最大のまさか! 75歳になってもう一度青春時代が来るなんて……。運転免許を返納して落ち込む葉介に舞い込んだのは、自転車レースへの誘いだった。何歳でも人は新しい世界を切り拓くことができる。温かく心に沁みる人間賛歌。

感想・レビュー・書評

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  • 軽めの話かと思いきや、意外にもシビアな物語でした。それがこの作者のいいところかも。

  • Team383。後期高齢者の市民スポーツチームだ。そのメンバー5人の葛藤と希望を描く。
     5章からなり、5人それぞれが各章の主人公を務める。

         * * * * *

     タイトルから「ママチャリカップ」出場で生きがいと若やいだ心を取り戻し、練習とチームワークで以て大会で(できれば)結果を出すような、(第2の)スポーツ青春物語かと思って読んだのですが、案に相違して後期高齢者のヒューマンドラマでした。

     話題も、運転免許返納、体力低下、婦人病、老々介護、認知症、ゴミ屋敷と、高齢者問題オンパレード。それをチームプレイで乗り切っていくというストーリーは、痛快さの中にほろ苦さも含んだイイ味わいに仕上がっています。

     安心感と爽快感があり、読んでいてとても楽しめましたが、少し老いについての悲哀も感じました。

  • 年齢を重ねると、色々な問題があるものだと思うけれど、こんなにお互いの事に一生懸命になれる仲間達がいると心が救われるなーと思った。いつになっても友達は大切な存在。

  • 11老人の仲間達の連作小説。ハートウォーミングで終わりだと思っていたら、しっかり人生や葛藤が描かれていて読み応えある良作だと思う。グランパの印象が強すぎて、失礼しました。

  • 最後がこんな重い話になるとは思わなかったですね。
    もっと明るい話が良かったです。

  • 70代の老人たち、小田山葉介、坂内菊雄、鈴木比呂海、中原玄、石塚紅子.彼らが繰り広げる愉快な物語が5編.メンバーには紅子の孫娘 本庄桜子も加わってドタバタ劇が始まる.ママチャリカップに挑戦する「Team383」. 菊雄の妻 紀子が結婚式に拘る「438289時間」.だが、「無限」での中原玄 こと久遠寺竜が内に秘めて実力を発揮する話が面白かった.

  • 運転免許を返納して意気消沈していた葉介が飛び込んだのは、ママチャリレースに参加する平均年齢76歳のチームだった。

    病気が見つかり手術前にどうしても結婚式を挙げたいという妻の願いに翻弄されながらも奮闘する菊雄。

    妻の認知症介護を自分一人で背負う比呂海の心のオアシスと異変に気付いてくれた仲間たち。

    夫を亡くしてこもりがちな友人を励まそうとして空回りしてしまった紅子が学んだこと。

    殺陣師だった玄に再びきた仕事と、若手の俳優の亡き祖父が起こした事故と失った玄の子供の事実の葛藤。

    葉介、菊雄、比呂海、紅子、玄。
    老人たちに立ちはだかる試練。

    年をとるにつれて失うものも、自分が思うように色々うまくいかないことも増えていくなかで
    どう生きていくか。。。

    最後の玄さんのは突拍子もないような急展開な気がしたけど、みんなが助け合ってそれぞれのキャラが良い。


  • と が省略されていた

    ほっこり実写化も面白そう

  • 全員七十代の個性豊かなチームメイトたちの、運転免許返納からのママチャリカップ、延期し続け流れた為の老いらくの結婚式、認知症で性格の変わった妻、物が捨てられず溜め込む友人、若手俳優に教える殺陣等の事情。老いは然程描写されず、ゆとりのある元気な老人たちを身近に感じる。度々小骨が引っ掛かる文体だけ残念。。

  • 面白かったです。
    ちょっと最終章の偶然が過ぎる気が…

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著者プロフィール

1969年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。出版社勤務の後、劇作家として活躍。2007年「ミチユキ→キサラギ」で第3回仙台劇のまち戯曲賞大賞、12年「春昼遊戯」で第4回泉鏡花記念金沢戯曲大賞優秀賞を受賞。13年に『お父さんと伊藤さん』で第8回小説現代長編新人賞を受賞し、小説家デビュー。著書に『おまめごとの島』『星球』がある。

「2017年 『PTAグランパ! 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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