- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103539315
感想・レビュー・書評
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うーん、どうもこの作家さんとは好みが合わないようだ。
思えば「ゴースト≠ノイズ」も私が苦手な回りくどい話で、それでもミステリーとして楽しめたので新作にも手を出してみたのだが見事に失敗。
四話のうち三話は言葉遊び。
変換の仕方を変えると文脈が変わる日本語の妙やシンメトリーな文字を使った会話などのパズル。
しかしそれがミステリーの肝かと言えばそうではなく、むしろ物語の展開なのだろう。
四話いずれも恋愛の話なのだが、この恋愛の形がいずれも好みではなかった。
とにかく遠回しだったりぼかしてあったりで歯痒い。それで結局何を言いたいのかと先を読んでいけば、複雑でキテレツな三角関係だったり不実な男の話だったり。
特に三角関係の話は二話に渡って描いたオチがこれとは。九年も掛けて遠大な駆け引きをし、このために子どもまでもうけるその感覚が全く理解出来なかった。
しかしこれも自分に正直な生き方、自由恋愛と言うのだろうか。本人当人が納得していて幸せならそれで良いとは思うが、今回は当人の一部は納得していないし当人の一部は知らないのだから自由恋愛ではないだろう。
第三話までは我慢して読んだが、最終話の表題作に至っては流し読みしてしまった。すみません。
他の方のレビューを読むと高評価もあるので、好みの問題だと思う。私には合わなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サスペンス満載の恋愛短編集 “ハラハラする”十市社の『亜シンメトリー』 | ananニュース – マガジンハウス
https://ananweb.jp/news/354510/
十市 社|note
https://note.com/t_yashiro
十市社 『亜シンメトリー』 | 新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/book/353931/ -
2話目みたいに、スルーしかけておっと待て待て、と読み直す感じは好き。タイトル作はまるでわからなかった。シンメトリーのタネを明かされても、全体がピンとこない。3話目までの雰囲気が好みだったのにラストが難解で読後感がもやもや。
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一対の関係の美しさ、収まりの良さ。
だけどそこに収まらないものが微かな違和感/異物感と共に逆に目を惹くこともある。
四つの短篇の裏にいったいどれだけ秘された物語があるのだろう。
咀嚼してた文章の味が唐突に変わる瞬間!みたいなものにもっと出くわしてみたい...。
2話目は意味がわかると怖い話的な、かなりイージーなサプライズだったと思うけど、表題作は驚きの方向性すらピンとこないまま読み終わり。
いや僕にもっと根気があればあれとこれは自力で気付けたかもやけど。
刊行からかなり時間経ってるけどネットでネタバレ探しても完全版みたいなやつは見つからず。奥深い...。 -
自分の読解力の問題だが、もう一度しっかりと読まないと感想書けない。
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中熊美緒と千日顕に紫子(ゆかりこ)が絡んで、年代不明のトラブルを取材した高校生の書き起こしたテキストの解明をたどる「枯葉に始まり」と「三和音」はそのテキストが共通していたが、やや複雑であまり楽しめなかった.「薄月の夜に」では染谷亮輔から巧みに逃げ出す大島英里と保村の作戦が面白かった.表題作では文字の対称性にこだわる花田早由里と津村亜樹のやり取りだが、夫になる花田から早由里が貰った手鏡がストーリーの中でなぜか光っていた.
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2021/03/21読了