- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103553915
作品紹介・あらすじ
文芸界震撼!至宝の校閲秘話から生まれた変態的情熱溢れるお仕事コミック! 普段ほめられることはなく、陽の当たることのない縁の下の力持ち――それが校閲。ひとつの言葉、ひとつの表現にこだわる日本語のプロとして本作りに欠かせない校閲者たちは、個性豊かな文芸作品とどう向き合っているのか? 文芸版元だからこそ知り得た作家とのエピソードや秘蔵の校閲あるあるを楽しめる校閲者の日常物語!
感想・レビュー・書評
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本作りに欠かせない存在でも、地味な印象が拭えなかった「校閲」のお仕事に日の目を当てた作品には宮木あや子さんの『校閲ガール』がある。
わたしは石原さとみ主演のドラマをちらりと観ただけだが、大変そうだけど、やりがいのあるお仕事だな、と思っていた。
その「校閲」を、新潮社校閲部協力のコミックエッセイとして描いているのがこの作品『くらべてけみして 校閲部の九重さん』だ。
架空の会社、新頂社校閲部文芸班社歴10年の九重心(くじゅうこころ)35歳と、編集志望だったのに校閲部に配属された新入社員の瑞垣を中心に、個性豊かなキャラが「校閲」の奥深さを体現している。
あらためて、大変責任のあるお仕事だと思うとともに、校閲部の方たちの並大抵でない苦労のもとに、私達はするすると本を読めてるんだなと、感謝と尊敬の思いでいっぱいになる。
印象に残った言葉は
「ぼくら校閲と作者は ゲラで戦うんだから」
ゲラ、とは、校正、校閲のために印刷所が出力した紙(試し刷り)のこと。
そこに校閲部が赤ペンで校閲し、作者の元にゲラを渡して確認してもらう。
それを繰り返すのも本作りの大事な作業なのだ。
作者と編集者と、校閲者で、三つ巴の戦いをしている感じなのだろうか。
読者に完璧に近い作品を届けるため、誇りを持ってお仕事されている。
誤字、脱字は、校閲者にとってやはりショックらしく、見つけてよろこんでいた自分を戒めたい。
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<読んでみた>くらべて、けみして 校閲部の九重さん:北海道新聞デジタル
https://www.hokkaido-np.co.jp/art...<読んでみた>くらべて、けみして 校閲部の九重さん:北海道新聞デジタル
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/991465/2024/03/26
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ここに書いてあるのは、ほんとにあるあるなのです。
校閲部員のキャラクターもあるあるだし。
変人(こだわり強め)が生かされる仕事(笑)。
『校閲ガール』がドラマ化されるまで、あまり世間には知られていなかったけれど、
いまは多くの人が知っているのは、なんか嬉しい。
そういえば、新潮社の社食、むかしNHKの「サラメシ」で見たなぁ……。 -
校閲をテーマにした小説、出版マンガで校閲を描いた回を読んでいたので、おおよその知識はあるが、今回手にしたのは舞台が新潮社をモデルにしているからである(作中では新頂社)。校閲部文芸班の中堅どころ九重さん、新入社員の瑞垣さんを軸に展開するストーリー。校閲について知ってはいるけれど、それでも改めてその仕事の幅広さ、要求される的確さには舌を巻く。瑞垣さんが新人らしく色々と迂闊だが、その素人目線がいい意味でナビになってくれる。
そして本書の醍醐味は、やはり新潮社がモデルだからこそのエピソード!大御所の個性的な手書き文字に、かつての校閲はこれを解読していたのかと思うと頭が下がるわ~。新潮社の校閲部の方による現場話も読みごたえあり。
かわいらしい絵柄だけど内容はなかなかに熱くて、読み返すほど面白さがじわじわ沁みてくる。「ゲラで戦う」というセリフが印象的だ。そして、とことん完璧を極めたいところだが、「時間は限られてるんだから優先順位をつけなきゃ」という、仕事あるある。どんな仕事でもそうだろうが、では校閲なら何を優先するのかというところも興味深い。読書好きには勿論お薦めな一冊だけど、仕事に悩んでいる方にも響くところがあるはず! -
校閲部の九重さんを主人公に、出版社の校閲部の様子を描いたお仕事エッセイ。
監修が新潮社校閲部とのことで、「これが噂の新潮社・校閲部の様子かぁ!」と半ば憧れに満ちた目で読んでしまう。
校閲のお仕事風景が興味深いのはもちろん、内校ならではの編集さんとのやり取りや愚痴?の数々も面白い。
私は結構、丹沢さんの静かなる熱血キャラが好きだ。客観的視点はもちろん大事だし、誤植を落とさないためには「ゲラを読んではいけない」という姿勢は大事ではあると思うけど、やっぱり情熱を持ってのめり込んで校閲したいよな。
レジェンド矢彦さんの教えにジーンときた。校閲はゲラと対峙する孤独な作業であるけど、でもだからこそ校閲社には一人ひとりの矜持や哲学のようなものを持っているのかもしれないし、それを一人ひとりに聞いてみたい。
今回、思い切って本作の出版記念トークイベントに参加してきたのですが、本当に楽しくて、有意義で貴重な機会だった。今年はこうやって積極的に校閲に関するイベントとかに赴いていこう。 -
とても、良かった。 ほんわかした絵に、文字の海を渡る仕事、というのが意外に合う。 作者の力量だろう。 出版社は、憧れの場所。 少し垣間見れたのが、嬉しい。
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出版社の校閲部の人たちのお話
すごく興味深く読めました。
若い頃、校正の通信教育をやってみたことがあったなぁ。でもすっごく難しかったのを覚えてます。 すごい人たちでした。 -
校閲関連の書籍は何冊か読んでいるが、これもまた本好きにはとても興味深いものであった。
本のタイトル、「けみして」の意味もなるほど最後に納得。
この仕事、憧れるけれど、とても出来るとは思えない、すぐく特殊で難しい、職人の領域だ。
パタパタという作業、これで違いがわかるとは凄い!
AIが進歩しても、人間なしではできない仕事である。 -
【縁の下の力持ち】
校(くら)べる・・・照合して誤りを正す
閲(けみ)する・・・調べて見て確かめる
SNSやクラウドワークスなどで
「校正・校閲できます」発言を見かけますが
私には怖くてとても言えません
100年後に残る一冊を作る
その意気込みを学び始めたばかりです
> 思い出深い号となりました。
先日本屋に行った時に「読書アンケート 2023」(みすず書房)だけ買って、、、クラクラしな...
> 思い出深い号となりました。
先日本屋に行った時に「読書アンケート 2023」(みすず書房)だけ買って、、、クラクラしながら読んでます
パっと出てきた「みすず2021年1・2月合併号(読書アンケート)」が120Pくらいなので、約1.5倍のページ(176P)!!!
違う違う「NHK短歌2024年3月号」は本日か明日購入予定。。。読むのが愉しみ~
> ネイティブに近い発音なんですかね。
昔は文字だけ見ていたのかも知れません(聞いたから違いが判ると言う訳でも無いかも)
カフカ「変身」の主人公も昔はグレゴールで、最近ではグレーゴルが多いみたいですが、或る時に指摘されるまで、全てグレゴールと読んでました。
手元にあった文庫を見直して愕然とした記憶が、、、
東京マラソンのゴール地点にまさかの「FUNISH」。アシックスのTシャツのプリントに痛恨のミス | ハフポスト NEWS
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_65de944de4b0189a6a7fd10c
本棚のコメント見ました。
愛用のPCちゃんが昇天されたとか。
残念ですね…。
お、そんなアンケート本があるんですね。
しかも、...
本棚のコメント見ました。
愛用のPCちゃんが昇天されたとか。
残念ですね…。
お、そんなアンケート本があるんですね。
しかも、大人の本棚シリーズのみすず書房さん!
『夜と霧』も『生きがいについて』もそうなんですねー。←読んだことないけれど憧れている。
でも、これ以上、気になる本を増やしては…うぐぐ。
『NHK短歌2024年3月号』ぜひぜひ、お楽しみください。
ちょっとテレますね…。
私もグレゴールだと思ってて、よく読んだらグレーゴルだったことがあります。
思い込みって自分で思っているより強いもんだと思いました。
「FUNISH」のニュースは、ほっこりしました。
見逃した御本人たちは落ち込んでいるかもしれないけれど、なんだかホッとしました。
完璧じゃないことって癒やされます。
5552さん
コピペが漏れていたので、追記
> 猫が一応気を付けているコトが四つあります。1.人名
としたのですが...
5552さん
コピペが漏れていたので、追記
> 猫が一応気を付けているコトが四つあります。1.人名
としたのですが、チョッと修正して「1.固有名詞(人名、社名、タイトル等)」とします。
昨年11月に文庫化された、岸本佐知子「ひみつのしつもん」を読んでいて、此の社名は!と思うところがあって・・・
でも岸本佐知子だからワザとかな?と思って悩んでいます。。。
> 『NHK短歌2024年3月号』ぜひぜひ
購入しました!今日ジックリ拝見します!