涙にも国籍はあるのでしょうか:津波で亡くなった外国人をたどって

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  • 新潮社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103555612

感想・レビュー・書評

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  • 図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。

    私が読む三浦英之氏の著書の7冊目。

    本書の主旨に反してしまうつもりは毛頭無いのだが、それでも、最終章(第九章)の日本人ご家族の章にどうしても私の気持ちは持っていかれてしまった。

  • 「あの人の面影が残っているのは記憶の中だけ」――。津波で亡くなった外国人の足跡をたどった『涙にも国籍はあるのでしょうか』書影デザイン公開! | 株式会社新潮社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001312.000047877.html

    三浦英之 『涙にも国籍はあるのでしょうか―津波で亡くなった外国人をたどって―』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/355561/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      女の本屋 > 著者・編集者からの紹介 > 三浦英之・著『涙にも国籍はあるのでしょうか 津波で亡くなった外国人をたどって』   ◆新潮社ノンフ...
      女の本屋 > 著者・編集者からの紹介 > 三浦英之・著『涙にも国籍はあるのでしょうか 津波で亡くなった外国人をたどって』   ◆新潮社ノンフィクション編集部 島崎恵 | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network
      https://wan.or.jp/article/show/11119
      2024/03/04
  • <慾>
    例によって本の雑誌2024年04月号の 新刊めったくたガイド にて紹介されていたので読んだ。まあそこそこ面白い本だった。ノンフィクションだから読み手に興味があればその本は面白いのだ。著者は現役の朝日新聞記者。これはかなり珍しい感じの本かも知れない,と僕は思った。(しかし本書の版元は新潮社。まあいろいろ事情があるのだろうなぁ。その色々事情が本書に書いてあると面白いのになぁ,とも思ったw)

    この本を読んで,ことごとく何回も出てくる言葉。それは「取材」。取材とはなんとも便利な言葉である。この本の話の中身とは直接は関係ない話を僕はしている。「取材」と言うと もう何をやっても 何を頼んでも許される,と相手に思わせる言葉なのだなぁと思った。
    悪しき時代の「お国の為」みたいな感じが漂う。まあ新聞社の記者という特別な立場/職業の人間はこの「取材」という武器で他人に何もかもをさらけ出させて それを世間に知らしめる,という大義名分で飯を食っているのだからな。

    しかし「取材」とは土足で他人の家にずけずけと踏み込んでいく行為に他ならない。決してそこには正義などは無いのだ。
    再度言うが僕はこの本の内容や著者について言っているのではない。あくまで一般論としての「取材」という言葉への僕の印象を書いているだけだ。取材。好きな言葉ではない!僕は「取材」と云う目的では決してお話はしないと思う。マスコミに忖度するのが市場にいヤダ!

    いったいにこの記者と云う連中は何の権利があって取材と云う行為を勝手にやっていい事になっているのだろうか。考えてみれば人の事を根ほり葉ほり訊くのは 現在では個人情報の保護という見地からも誰でもおおっぴらにやっていいわけではないのだ。それを「取材」だというだけで偉そうに(ではないかw)やっている記者と云う連中の 「資格」について問いただしたい。医者や警察官の様な「人格者」でないと 取材行為 はやらせるべきではない。いや僕はこの本の内容について言っているわけではないので誤解なきようにw。

    読んだ瞬間に おや と思い,何度か読み返してみると,やはりおかしいだろう この言い回しは,と思しきところがあった。まあ 僕も色々な著者の本を読んで来たが 新聞記者のなかにも,この程度の語彙や語学力しか持たない者もいるのだなと思ったものだ。無粋だが本文から書きぬいて指摘しておく。ページ97「空には曇りガラスのような薄い雲が張り詰め,空気にはしっかりと冬の冷たさが紛れ込んでいた。」冬の冷たさ と云う奴が こっそり紛れ込みたいのか 確実に紛れ込みたいのか,というところで判断が分かれてくるでしょうけどが。

    もうひとつ。「実は朝鮮戦争でバラバラになった白婆ちゃんの長女は・・・」おいその長女さん爆弾かなんかでバラバラになっちまったのか?えらいこっちゃなぁ。で,その後の話と全然つながらないのは僕が天邪鬼だからか。でもこの書き方は絶対におかしいだろう。これもマスコミ独特の偉そうな勘違い(理解できない読者が悪い。俺たちはメジャーなんだからそんな奴らは相手にしない!)というやつなのか?w

    途中で元従軍慰安婦だったらしい宋さんと云う人の話題になる。ここでの僕の意見は一つ。この人は東日本大震災の際の津波被害とは全く何の関係も無いでしょ。あんた(著者の事)いったいに何を書いてもいいと思ってんのか!まああんたの著作だから何かいてもいいけどさ,読む側はある程度テーマに沿った内容を読みたくて貴重な時間を使ってるんだから,この詐欺記者が!


    後半に著者による述がある。『私は原則,執筆した原稿を掲載前に取材対象者に見せる事はしない。』本当なのか。ここにも大いなるおごりが見てとれる。本来記者などと云う職業は別に特権もなければ偉くも無いのだから,取材させてくれた人に対してこういう文章を載せます,という諒解取付行為は原則必要なのではないのか。いやちがう,と云うならそれはやはりマスコミという業界全体のおごりだと思しい。お前たちの為に世の中がどれだけ混乱して乱れているか。一度マスコミ人というのを全員一斉に倫理観の高い人達と入れ替えるべきだ!

    新渡戸稲造の著書『Bushidou. Life of Japan.(武士道)』での名言 ”There is nothing as beautiful as dedicating one's life for a cause.”「大義のために自分の人生を捧げることほど美しいことはありません」を英語で的確に訳した外国人(米人)の下りがある。筆者はもちろんこの新渡戸の武士道が原文は英語で書かれている事を知った上でこれを書いているのだろうけど,それにしては状況やら語彙がおかしいだろう。原文が英語だという事をよもや知らない訳も無く・・・。いや待てよ もしかすると知らんのか(笑)。

    本書は最初に著者の言で「敬称略で書きます」という意味の事が明言されている。なぜだろう。津波の被害者達に対して最初から呼び捨てである。思うに 僕が話題にしてきた「取材」という悪しくいまわしい伝家の宝刀の切れ味を上手く活かそうとしているのに,一々相手を敬称で呼んでいると なんだか威厳が落ちる様な気がしてくるからだろう。マスコミという言わば情報社会のヤクザ連中とはつくづくそういう思想と体質を持っているのだなぁ,と あらためて感じた。

  • ずっと楽しみにしていた三浦記者の新著。発売日に読了。紙面でも読んでた内容だけど、深みが違う。素晴らしいノンフィクションだった。

  • これが第何弾になるのだろうか?三浦記者の三陸ルポ。 
    今回は外国人被災者がテーマ。
    どの被災者にもそれぞれの物語があり、悲しみは同じ。それでも夢を持って、様々な事情であの時あの場所で悲劇にあった外国人の方の話は、また胸を打つ。
    著書が取材中に投げつけられた「10年以上の前のことをほじくり出して何が面白えのかよ、仲間がたくさん死んでんだよ」という問い。読んでるだけで辛いが、取材する方も、取材される方も苦しいことだろう。そのことに思いを馳せて読まないといけない。

  • 震災や津波によって突然亡くなった人には、それまでの人生の日々があり、家族、友人がいる。
    外国から日本に来て亡くなった人もそれは同じだ。でも、外国人の犠牲者の数は正確に把握できていないらしい。
    外国人の犠牲者の足跡を辿ったルポ。
    亡くなった人の人生を知り、できるだけ心の中で覚えておきたい。忘れないでいたい。
    家族が犠牲になっても、新たな生きがいを見つけ、毎日生き続ける人たちのことも忘れずにいたい。
    三浦さんの本を読み、いつもそのことを確認する。

  • 369-M
    新着図書コーナー

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