- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103638025
感想・レビュー・書評
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震災に関する本が書店に平積みにされているが、悲惨な写真や辛い体験などの忘れてはいけない記録が記されているもの、または原発に関するものが多い。
この本には復興に向けての非常にポジティブなメッセージがあふれていた。
瓦礫の中を走る宅急便の車の写真には、胸が熱くなった。
クロネコヤマトを初めとする多くの企業が、困っている人を助けるために動き、役所も素早く対応する。
全てを失った経営者たちが、様々なアイデアを出し、多くの人の助けを借りながら立ち上がる。
対談形式で語られるその様子は、明るく前向きで読んでいてワクワクした。
後半では、ほぼ日メンバーが被災地に入りスコップ隊として活動した様子や、福島の高校球児の奮闘ぶりなどが記されている。
無闇に不安を煽る事なく、頑張っている人の姿を描くことによって、「わたしたちに今できる事は何か」を考えるきっかけを与えてくれる良書。
内容が良かっただけでなく、印税の全てが寄付されるそうなので、自分なりの「できることを」が少しできた気もして購入して良かったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人の可能性や、英知や、本当に力を与えてくれる素晴らしい姿を伝えて貰いました。
感情や行動の向かう先、熱量を、冷静にモクモクされている事の素晴らしさよ‥ -
東日本大震災のときの様々な自発的活動について、ほぼ日の糸井重里さんが本人にインタビューした本。
コロナのもと、社会の基盤が揺るがされているいま、政治パワーや◯◯運動とは別な切り口で、何か動けるはず、と考えるときにも、参考になる。 -
「具体的に祈れるようになるというだけで、願いはもう叶いかかっているんだ」という糸井重里さんの言葉が全てを物語る一冊。震災後に誰をどんな形で応援するべきか、具体的に考えるために誰がどんな風な想いで頑張っているのかを知るための文章。
甲子園常連校の聖光学院野球斎藤監督の言葉・姿勢が響く。「いちばん怖いのはね、震災があったからこそ、ぼくらは今年勝たなきゃいけないっていうふうに震災を利用して傲慢になること」「選手たちは簡単に言います。ぼくたちは震災を背負ってる。全力で戦って一日でも長く勝ち残ってみんなに喜んでもらうんだって。でも、それ、どういう意味で言ってるんだ?ほんとに分かってるのか?ってぼくは言う訳です。ほんとは同情の声で後押ししてもらえるって期待してるんじゃないの?もしそんなことを都合よく願ってるとしたらそれは、傲慢だよって」
震災のあった年の夏前に、高校生を相手に、こんなことが問える監督の教育観に打ちのめされた。
魂が感じられるインタビューばかりで構成されている本なだけに、冒頭のエピソードで取り上げられてるクロネコヤマトが、この本で語られている理念とは反した不祥事を起こしたことは残念。 -
震災後のほぼ日トピックをまとめた本。
面白いテーマも、イマイチだと思うテーマもあった。
それにしても東日本大震災では、被害が広域的だったということもあって、本当に色んな人がいろんな地域で動いている。いくらでもヒーローがいるなと思う。そんな中で、自分がなぜ動かなかったのだろうかと反省する。もちろん、言い訳はいくらでもできる。その後、仕事で関係することもあった。それでも、頭と体を使えばできることはあったんだろうなと思う。行動すること、大事にしよう。 -
『これから変わるところは変わるでしょうし、変えたくないところは変えないでしょう。
“変えたくない”というのは、いったいどういうところなのかを本気で考えていくわけです。そういう作業は、今の日本では、誰もしたことがありません。
やらざるをえない人たちが、先に強くなっていく。それをぼくらとしては学びたいとも思っています。』
ぼくらはどう強くなり、何を学んできたのか。それが問われているのかと思う。
人それぞれ置かれている立場は違うだろうけど、何かできることは必ずある。あとは、自分を突き動かす原動力があるのかないのか、真剣に見つめることが大事なこと。原動力があるならやるべきで、原動力がないのならそんな自分と向き合っていればいいんじゃないかと思う。とにかく、自分に問うことなら誰にでもできる。「できることを何かしようか」と。 -
ヤマトのDNA、ふんばろう日本プロジェクトなど、1人1人が「できること」を復興の足がかりにし、ネットワークを広げて行く姿に感銘を受ける。夏の甲子園、福島県大会の取材記事には、思わず目頭が熱くなった。
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369.3
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311のあの時は日本に住んでなくて、でも日本の取引先に電話が繋がらなかった事から何かが起こったなと比較的すぐ気づいた。その後の何となく日本にいないことへの罪悪感とか色々思い出した。結局日本に戻ってきた今でも東北はほぼ未踏の場所。仕事が一段落したら行ってみたい。