死の灰を背負って: 私の人生を変えた第5福竜丸

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103813019

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    ── 大石 又七/工藤 敏樹・編《死の灰を背負って:
    私の人生を変えた第五福竜丸 199107‥ 新潮社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4103813016
     
    …… 私たち二三人の乗組員の内、半数がすでに被爆と関係あるガンな
    どで亡くなっています。私も肝臓ガン、最初の子どもは死産で奇形児、
    今も白内障、気管支炎、不整脈、肺には腫瘍を抱え嗅覚も消え、三二種
    類の薬を飲みながら命をつないでいます。
     しかし日米政府はこの大事な事件を被爆者や被害者の頭越しに政治決
    着を結んで解決済みにしたため、私たちはその時点から被爆者とて認め
    られず亡くなっても発病しても援助も治療も受けていません。
     私も他の被爆者と同様、差別や偏見を恐れ、その上共産党の回し者の
    ように揶揄され、東京の人ごみに逃げ込み隠れていました。
     だが、仲間たちが一人ずつ亡くなって行き自分にも次々と不幸が襲っ
    てくる。
    http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1379710273
    (乗組員23人)
    http://matome.naver.jp/odai/2139363865252311201
     
    ── 新藤 兼人・監督《第五福竜丸 Lucky Dragon No.5 19590218 近代映画協会》
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19850330
    《映画366日館 19850330 現代教養文庫》P72 d0301
     
    <PRE>
     久保山 愛吉 無線長 19140621 焼津 19540923 49 /19540301 被爆
     見崎 進   乗組員 1928‥‥ 島田       /
     小塚 博   甲板員 1931‥‥ 焼津 20160126 85 /
     大石 又七  乗組員 1934‥‥ 静岡       /
    </PRE>
     
    ── 池田 信夫《第五福竜丸の死因は「死の灰」ではなかった
    20150501 エコノMIX異論正論》
    http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2015/05/post-925.php
     
    …… 静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員だった市=は
    強い口調で語った。1954年3月1日、米国が太平洋・マーシャル諸
    島のビキニ環礁で行った水爆実験に遭遇。爆心から約160キロ離れて
    いたが、実験でサンゴ礁が吹き飛ばされた「死の灰」(放射性降下物)
    を浴び、乗組員23人が被曝した。
     「水爆の威力はそれほど大きく、広い範囲に被害が出る」。被曝から
    半年後に無線長の久保山愛吉さん(当時40)が死亡。見崎さんは帰港
    後、1年2カ月間入院した。「当時よりも今の爆弾の方が何倍も威力が
    あるだろう。何発か落ちたら日本は終わりかもしれない、と思えば恐ろ
    しい」
     元乗組員小塚 博さん(84)の長男の妻(58)=静岡県牧之原市=は
    「父はビキニの事件のことで、精神的、肉体的な重荷を背負い、人生の
    後半のほとんどを費やしてしまった。家族としてつらく胸がいっぱい」
    と振り返り「子どもたちや、後に続く人のために、核実験はやってほし
    くなかったし、水爆を使うような世界にはしてほしくない」と涙ながら
    に訴えた。
    http://www.asahi.com/articles/ASJ164WN5J16UTIL01N.html
     
    (20160229)
     

  • 恥ずかしながら、第五福竜丸のことについてあまり知らなかったので読んでよかったです。岩波ブックレット『第五福竜丸から「3.11」後へ 被爆者 大石又七の旅路』(小沢節子)に、この本にあるような内容が簡単にまとめられているので、そちらもおススメです。

    目次

    はじめに──鈴木さんの法事

    Ⅰ被爆
    謎の閃光
    運命の船出
    白い灰
    焼津へ帰港
    国立東京第一病院へ
    久保山局長の急変
    病室で迎えた成人式

    Ⅱ生い立ち
    ふるさとの海と船
    「神国日本」の子どもたち
    頭上のB29爆撃機
    敗戦と父の死
    十四の漁師
    南洋できいたワルツ

    Ⅲ東京へ
    漁師からクリーニングへ
    三人の誓い
    被爆者の涙
    夢の島の第五福竜丸
    よみがえった「廃船」

    Ⅳ新たな航海
    「ラジオ日本」への投稿
    たかが摸型船されど模型船
    お母さんたちのパワー
    高校生とビキニ事件
    仲間たちは次々と天へ
    あれが東京ドームだ
    原子力と原子病

    おわりに──高木さんの死
    あとがき
    編者あとがき(工藤敏樹)

  • 1954年3月に起きた、ビキニ環礁事件の当事者が記録した手記である。
    1991年出版。

    第五福竜丸事件そのものは知っていたが、たしかにその内容は全く知らなかった。
    知っている気でいた。
    福島の件があって初めて手にとった。

    結局は、アメリカの原子力政策そのものが秘密主義であるといことを原点として、それは現在まで脈々と継続されている原子力政策の基本姿勢であることが改めてよくわかる。
    また、広島・長崎以外で被爆した人物の経験や葛藤など、今だからこそ心に響くものがある。

    人類は、反原発・脱原発路線を進むぺきだ。
    そのためには、目的を一にする者同士、いがみ合っている場合ではない。
    それは原子力政策推進者の思う壺だ。

    NHKさんにお願いしたい。
    ぜひ、この本の中に登場する番組を、2011年に再放送してほしい。
    それは、今の時代へ投げかけるだけの重要な意義がある。
    NHKドキュメンタリー特集「廃船」
    NHKドキュメンタリー「’89 ビキニ・消されざる記憶 ― 水爆実験35年目の証言」


    第五福竜丸記念館はこちら。
    私も足を運んでみたくなった。
    東京近郊のかたは、ぜひこの夏に足を運んでいただきたい。
    http://d5f.org/

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