- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104247035
感想・レビュー・書評
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たぶん作者を知っていて落語界にある程度詳しい人なら、すごくおもしろいんじゃないかと…。私は浅学ゆえ、普通の小説として読んでしまい、普通におもしろかったけれども。
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弟の死、落語界のどたばた、母の死、すべてを悔しさをばねにして綴っている。
その悔しさを乗り越える答えが、もうちょっと欲しかったな。 -
人情噺だと思います
引き込まれました
ホロリとくるのです -
落語家が描く落語家小説。さまざまなしきたり、しがらみに縛られた落語界において、師匠と共に新流派を打ち立てて、干されて困難と闘いながら芸の精進を目指す落語家。そこに彼自身の家族の生き様が絡まった小説と言える。彼が味わった挫折、嫉妬、苦しみ、喜び、生と死。人生のすべての集大成と言えるものが新古典落語創作へとつながっていく。最後の章「一回こっくり」を読むとそれまでのエピソードがすべて詰まっているのがよくわかる。
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声に出して読みたい日本語だった。文章にリズムがあって、流石落語家と思った。
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小説に仕上がっているけれど、たぶんほとんど事実であろうと思われる。真打ち昇進のありかたで落語協会に騒動が持ち上がり、その渦の中で、試験に落ちて、師匠が新しい流派を立ち上げるきっかけを作った。新しい流派で真打ちになったは良いけれど、仕事が無くて、流されていく落語家に、家族が、友人が絡んで物語は進んでいく。最後には、創作古典落語を作ってしまう。「一回こっくり」はこの落語の題名。児玉清さんが褒めておられたけれど、うまい文章だと思う。落語家って売れなければ本当に大変なんだなぁ。何でもそうかもしれないけれど、好きなだけではだめなんだなぁ。
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落語の趣味はないけれど立川師匠の本は好きなのです。無駄なく(ある意味では全部無駄なんだというオトナなんですが)、気分よく暖かく上手い。
これは師匠のテーマ「古典の新作落語」創作のバックステージストーリーです。子を亡くした親の悲しみ、親を見送る子のせつなさ、兄弟間の思い出・・・。庶民の当たり前の営為の中に感じるせつなさと共感。師匠と同じ時代を生きてきた者としてすんなりわかってしまう心地よい肌触り。表紙のショット写真、そして絶妙な章立て、芸の細かさ唸ります。 -
立川談四楼師匠については、日経の書評で初めて知りました。残念ながら、落語に縁のない私ですが、「これは!」と思い、読んだ次第。
日経の書評は時々はまらないことがありますが、本書は読みがいのある1冊でした。
昭和の香りいっぱいの子ども時代から、落語の修行時代、スランプ、母の死、新作落語の構想、そして新作落語の披露、、と人情味たっぷりで、電車の中に関わらず数ページおきに涙腺がゆるみます。
第5章は新作落語「一回こっくり」そのもので、4章の終わりでアウトラインが友達に語る形で書かれてるのですが、「あーもう泣いちゃうね、私」と思ったので、5章は家で読みました。
気ぜわしい12月にぴったりの気もしたし、夏の暑い盛りに読んでもいいし。
ほっとするような、それでいてすぅーっとするとような1冊。非常におすすめ。 -
すごい落語家さんですね。落ちのところで泣き笑いです。新作古典になってるよ。