ブラックマネー: 「20兆円闇経済」が日本を蝕む

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104597048

感想・レビュー・書評

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  • 不動産中心としたアンダーグラウンドの取引についてのノンフィクション作品。

  • 金融ノウハウ、テクニックでやりたい放題…

  • 須田慎一郎氏の著書。
    ライブドア事件の見れていなかった部分、テレビのニュースでは扱われない事柄などが描かれており、勉強になった。

  • 同じテーマを扱った『ヤクザマネー』のが生々しくて、おもしろかった。こちらの本は、たいした情報なくない?ってカンジがしたけど。

  • 関西の出身なので昔よく報道されていたように、暴力団といえば権力闘争でドンパチをするいうものだと思っていましたが、この本によれば暴力団対策法が実施されてから、暴力団も仕事の内容を変えたり、表向きは企業やコンサルタント会社を装っているようです。

    GDPが500兆程度の日本において税金を払わないブラックマネーが20兆円もの規模に達しているのは驚きです。この本ではブラックマネーが日本経済に入り込んでいる(蝕んでいる)状況が、実際の取材を通して得られた情報をもとに書かれています。

    命がけの取材の内容を本に纏められた須田氏の労力に頭が下がる思いです。ブラックマネーが蔓延るということは、表向きのマネーが機能していないからなのでしょうか、それとも暴力団の勢力が大きくなっているからなのでしょうか。

    余りにも景気が低迷して不幸になっていく人が増えてくると、かつて武士の位置づけが変わったようなことが起きるのでしょうか等、考えさせられました。

    以下は気になったポイントです。

    ・平成19年度版の警察白書によれば、日本国内の暴力団員数は約8.5万人、ピーク時の1963年(18万人)と比較すると半減したが勢力は衰えていない(p29)

    ・外国と比較すると、日本の暴力団の組織は異なっている、1)拠点が明確、2)誰がメンバーなのか明確、という点である(p31)

    ・暴力団本体による取締りが強化されたことで、フロント企業(暴力団の尖兵)からの売上(シノギ)がますます重要になっている(p35)

    ・小泉改革による市場原理主義により、暴力団の本能ともいえる「弱肉強食」という発想とマッチするようになり、フロント企業の表経済への進出が加速された(p39)

    ・バブル時代あたりから金を稼ぐヤクザが評価されるようになったその原因として、1)活動に莫大な資金が必要となる、2)いくつもの組織が集まってピラミッド状の階層構造がある(p42)

    ・欧米では非合法で得た財産は、全額没収されるというルールがあるので、マネーロンダリングが無くならない(p62)

    ・日本において地価高騰の演出をしたのは、REIT(不動産投資信託)、不動産ファンド、不動産の証券化、収益還元法(キャピタルゲインに代わる)、である(p79)

    ・現在のメガバンクはどこも複数の銀行が合併・統合を繰り返してきたので、支店間の連絡が薄い(p186)

    ・新銀行東京は発足してわずか3年で、融資先企業2345社が経営破たん、285億円の不良債権(12.7%)となり、乱脈経営が目立った(p194)

    ・最も詳しい信用情報は、全国信用情報センター連合会で入手可能だが、これは消費者金融や商工ローンが出資して作られた団体なので銀行は加入できない、通常の銀行は貸金業種の子会社を加入させて情報を活用できるが、新銀行東京はそれができなかった(p199)

    ・新興IT企業がM&Aで成功したのは、日本テレコムを買収したソフトバンクくらい(p227)

    ・新興IT企業が買収合併を行う際に「株式交換」が取られたが、タヌキが木の葉で作ったお札を本物のお札と交換するのと大差ない行為であった(p228)

  • サンデープロジェクトなどで実力を発揮した、辣腕ライターのルポ。
    金融絡みの闇社会ネタに強い。
    一気に読んでしまう、興味深い内容でした。

    http://ameblo.jp/kymt/archive4-200902.html#main

  • 読了:2010/02/12 図書館

  • 日本の地下経済の総額は23兆円にもなるんだそうだ。そのうち、暴力団マネーは1割程度を占めており、「ノーリグク・ハイリターン」のちょっと特殊な地位を占めているらしい。暴力団も、組員の裁判費用から逃走資金、家族の面倒までみないといけないことも多く、経済活動を充実させてきているんだとか。本書では、最近の新聞を騒がせた事件---スルガコーポによるTBRビル地上げ事件、西田晴夫、秋山新などが書かれている。「何か資金の流れが怪しい、きっと最終的にはヤクザマネーになっているに違いない」という話ばかりで、筋を追っていくのはつらいものがあるが、当時の熱みたいなものは感じることができる。・最近は土地を売買しても権利関係でもめることをいやがり、土地は信託として信託銀行に預け、信託権のみをやりとりするケースも多い

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著者プロフィール

須田慎一郎(すだ・しんいちろう)
経済ジャーナリスト。1961年東京都生まれ。日本大学経済学部卒。経済紙の記者を経てフリー・ジャーナリストに。
「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続けるかたわら、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)、「そこまで言って委員会NP」(ytv)、など、テレビ、ラジオの報道番組で活躍中。 また、2007年から2012年まで内閣府の多重債務者対策本部有識者会議の委員を務める。政界、官界、財界での豊富な人脈をもとに、数々のスクープを連発している。
著書に『ブラックマネー』(新潮文庫)、『山口組マネー』(宝島社)、『投信バブルは崩壊する! 』(ベスト新書)、『下流喰い 消費者金融の実態』(ちくま新書)、『「階級格差」時代の資産防衛術』(イースト新書)などがある。

「2019年 『なぜカリスマ経営者は「犯罪者」にされたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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