GMO(上)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104616015

作品紹介・あらすじ

除草剤でも枯れないコーンや大豆。カレイの遺伝子を持つジャガイモ。しかし、それはほんの「序曲」に過ぎなかった-。"神の手"を自在に操る巨大企業とワインビジネスの闇、優雅なるセレブたちの光と翳、北米アナポリスの放火殺人と南米ボリヴィアの奥地。すべての仄かな点と線が結びついた時、醜悪なる「真実」が現れる。

感想・レビュー・書評

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  • GMO(遺伝子組み換え作物)。TPPの話が出るようになって改めてこの存在を確かめたいと思い、手にした。
    話は、コカイン、ワイン畑、(体面的には)品種改良した種をめぐる、巨万の富を築く企業とアメリカ、そしてボリヴィアのつながりだ。
    そう僕は品種改良とは、砂漠でも育つ植物や、病気に強い野菜などを考えていたけれど、次の世代の種を生まない種をつくることや、ある農薬にだけ作用をうけることのできる植物、そしてGM昆虫をつくることも可能であるという事実だ。物事には良い面と悪い面が必ず存在し、光の当るところにだけ眼がいくが、光が強ければ強いほど濃い影が生まれる。結局ワインのためのブドウ畑はスケープゴートに過ぎず、あっという間にその存在は消えていく。
    アメリカが、ボリヴィアが、麻薬シンジケートの思惑はどう絡んでいくのか。
    自然の摂理を壊し、GMOを食べた後の人間への影響を無視し、進められていく大きな計画が徐々に明らかになっていく。
    主人公は、巻き込まれながらも真相を追究するために、ずぶずぶと底なし沼にはまり、抜けることができるのだろうか。

  • 遺伝子組み換えをテーマにしてあるので、楽しみだった。
    どうその世界を構築するかにあった。
    ただところどころ、技術的用語の理解が不十分であるところに、
    もう少し、研究者の監修を受けたほうがいいとおもった。

    『ジェネアグリ』の野望は・・・
    遺伝子組み換え技術によって、世界を征服することにあった。

    作物・・・直接的な食用ではない作物、
    『ワイン』・・・がターゲットと推理が始まる。
    ワインを狙うのは、やはり付加価値というものがあるからだろうね。
    農産物と醸造業は、きりはなせない存在なので・・

    その害虫・・フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)
    その害虫に対応するために、抵抗性台木を採用することによって、
    しかし、味がおいしくなくなった。

    遺伝子組み換えは、植物がターゲットではなく、昆虫にも及んだ。
    フィロキセラをより強くする。
    コカを絶滅させるフィロキセラ。
    コカをあつかう二つのグループの暗躍と熾烈な陰謀。
    ロドリゴ・・・マリエル・・・二つのグループ。

    遺伝子組み換えの是非・・・
    コカは、絶滅させたほうがいいのか?
    ふーむ。
    問題の核心に触れていないことに、残念な思いがあった。

    『国家の意思』が見え隠れするところが面白い。

  • 1巻だけだと思って読んでいて、ページが残り少なくなった時点で「ん?ここで終わるのか??」と思ったら、下巻もあった・・・
    ってことで3時くらいまで下巻読んでしまいました。
    遺伝子組み換え作物に関する本。いろんな悪巧みが交錯。

  • 除草剤でも枯れないコーンや大豆。カレイの遺伝子を持つジャガイモ。しかし、それはほんの「序曲」に過ぎなかった―。“神の手”を自在に操る巨大企業とワインビジネスの闇、優雅なるセレブたちの光と翳、北米アナポリスの放火殺人と南米ボリヴィアの奥地。すべての仄かな点と線が結びついた時、醜悪なる「真実」が現れる。(上巻)ノー・モアGMOの声など、一顧だにしない米国企業の戦略。日本のイネまでも標的にした新たな経済戦争。先端技術が生み出す巨万の富。資本は一極集中し、弱き人びとは永遠に収奪される…。ボリヴィアで展開される密やかな開発、農民たちの反乱、暗躍する「組織」。圧倒的なスケールで、「現代のパワーゲーム」を描く国際サスペンス小説。(下巻)

  • ワインにもコカにも無知だったし,ましてや遺伝子については皆目だめという状況だったので,ビギナーにはとてもおもしろい小説でした。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒。95年に刊行したデビュー作『龍の契り』が大きな話題となる。’97年『鷲の驕り』で吉川英治文学新人賞を受賞。以後、豊富な取材と情報量を活かしたスケールの大きな作品を発表し続けている。他の著書に『KATANA』『ポジ・スパイラル』『エクサバイト』「清談 佛々堂先生」シリーズ、『天の方舟』『深海のアトム』『夢窓』などがある。

「2020年 『令和版 全訳小説 伊勢物語 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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