- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104620012
作品紹介・あらすじ
内部告発が明らかにする隠蔽の構図。元日航パイロット・事故調査のエキスパートが執念で描く、18年目の真相。
感想・レビュー・書評
-
事故後40年近くがたつが、最近になって陰謀論?があることを知り手にとってみた一冊。パイロットの視点から事故調査委員会が結論づけた事故原因に疑問を呈する。図解がもっとあれば理解しやすかったのかもしれないが、この頭で理解しうる範囲でも、事故原因は解明されたとは思えない。海からの機体の回収を拒んだり、記録を廃棄処分したり、世界最悪の旅客機事故の事後対応として信じられないことばかり。結局真相は闇に葬られて、関係者がみんな墓場まで持っていくのでしょうか。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30年前に起きた日航123便の墜落事故。
そして、3年前に起きた福島第一原子力発電所の事故。
いずれの事故も国、事業者、そしてアメリカ政府によって原因が調査され、一応の公式見解は公表されている。その後、公式見解と異なる証言、証拠が出てきても、公式見解は決して揺るぐことはない。そして、真の原因究明を行おうとする努力すら払われることはない。
公式見解と異なる、不都合な真実は、大衆の目から隠され,無視され。そして、事業者は着々と再稼動への道を進む。
誰の罪も裁かれることはない。
元日本航空パイロットで航空安全活動に長年取り組んできた航空事故調査のプロが、日航123便の墜落事故に疑念を持ち、民間で収拾し得る限りの証拠を検証し、事故原因を探る。
公式見解となった事故原因と矛盾する証拠、そして生存者の証言は存在するが無視されている。
そして、いまだにそれらは公式には否定され続けている。
表面的な平和、表面的な繁栄の裏で、悪魔が笑う。 -
20年前に起こった飛行機事故。引っ越したばかりの段ボールに囲まれ、テレビをつけたときに目に飛び込んできたニュースだった。日本であることも、映画ではなく現実であることも、しばらくの間理解ができなかった。
この本はJALのパイロットであり、事故調査隊であった方が、長年かけて調べ一冊の本にまとめたものである。少々読みにくいところはあるが、今後このような事故を起こさないために、徹底した原因追及をしている。ボ社がからみ、政府、外務省、警察、すべての組織が結託して、事実と違う方向へ誘導していたのがよく分かる。それによって守られた会社もあるが、肩身の狭い思いをして暮らさなくてはいけなかった方々、納得のいかない遺族の方々がいることも忘れてはならない。
私は新聞などメディアの情報を信頼し、全く気にすることが無かったことを悔やまずにはいられない。
真実はどこにあるのか。
自分の分かる範囲でも、知ろうとすることは大事なことだと思った。
そして、二度とこのような事故が起こらないで欲しい。
作者の藤田さんは、先日ドキュメントドラマで、竹中直人さんが演じていた方です。 -
日航123便墜落事故に関して、当時の日航のパイロット兼事故調査員だった
藤田さんが書いた本です。
この前の特番を見て凄く読みたくなって買いました。
この話が本当だとしたら、大変な事だし、
日本人て最悪な文化を持った民族だと思う。
全てはその当事者にしか分からないことだけれど、
本当の事故原因を隠して、別の事故原因を作り上げた運輸省は最悪だと思う。
運輸省の中に内部告発者が何人かいたにもかかわらず、一度終わったことだから
といって、何も変わらない日本が凄いと思った。
日本人ってコワイ。
*********************
1985年8月12日、日航123便は群馬県御巣鷹山中に墜落し、520名の犠牲者を出した。
発表された事故原因は圧力隔壁破壊。だが、その結論には多くの専門家が首をかしげた。
何が隠されたのか。元日航機長の著者は、各種の資料を収集し、事故原因を追究する。
そして、ついに内部告発者があらわれ、隠されていた証言が事故の真相と隠蔽の構図を浮き彫りにした。
迫真のノンフィクション。 -
(このコメントは「御巣鷹の謎を追う -日航123便事故20年」と共通にさせてください。)
日航機123便墜落事故という最悪の事故に残された謎を解こうというこの作品。
「御巣鷹の謎を追う -日航123便事故20年 著:米田憲司」と併せて読んだのだが、もともとは「御巣鷹の謎を追う -日航123便事故20年」を藤田氏との共著とする予定だったというだけに重複する部分も多く存在する。
そもそも、これらの本を読んでみようと思ったきっかけはたまたまネット上で事故機のボイスレコーダーの音声を聞くことができたからだ。
それまでは、墜落の原因は公式見解である圧力隔壁の破損による急減圧に伴い発生した垂直尾翼の破壊によるものと信じていた。
そうなると、その時点でコクピット内は酸素濃度が希薄になり、乗員が意識を失うことで操縦ができず墜落したのだと思っていた。
が、聞いてみて驚いた。
異常発生から約40分間、乗員は意識を保つどころか奮闘に次ぐ奮闘を重ね、最後まで意識がはっきりした状態だったのだ。
ならば、急減圧は発生していないのではないだろうか。そんな疑問をもつに至ったのです。
両書を読んだところ、同じ疑問を持っている方はたくさんいる。
というか、この両書を探すにあたって、日航123便墜落事故に関する様々な本があることを知った。
これほど多くの本が出版されている理由も両書を読むことで理解できた。
この事故には不明解な点が多すぎるのだ。
事故発生から救助開始までに要した時間の長さ、次々と変わった墜落地点情報、つじつまの合わないところの多い事故調査報告書、墜落原因とみられる垂直尾翼の捜索を早々と打ち切ったこと。
不明解な点が多すぎるからこそ、疑問を持つ人間も増えてくる。
両著者とも垂直尾翼(事故発生地点である相模湾に沈んでいるものと思われる)を引き揚げ、再調査することを希望している。
史上最悪の航空機事故。
謎を残したまま済ませてしまうわけにはいかないのではないだろうか。