オウム裁判傍笑記

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 19
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104668014

作品紹介・あらすじ

戦後最大の公判となったオウム真理教裁判は、果たして何を裁いたのか-。七年半に及んだ裁判を丹念に傍聴した著者が法廷で目にしたのは、あまりにも不可解、あまりにも喜劇的な光景だった。被告人、裁判官、弁護人らの言動から、日本人の虚妄の精神構造を浮き彫りにする渾身のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • ジャーナリストである著者による、8年にも渡る裁判を傍聴した結果見えてきた矛盾を明らかにした著作です。被告人、弁護団、裁判所、検察官、証人と登場しますが、特に弁護団、裁判所の視点で分析し、被告人がどのように変容していったかを著者の視点で指摘しています。司法エリートである弁護士や裁判官、検察官による被告人を見下したような態度により、子供のような被告人の行動を引出してしまったことを指摘し、大事件の本質を被告人から引き出せなかった事を問題として提起しています。
    被告人もあれだけの事件を引き起こし、終始不埒な態度を取り続けたことはとんでも無いと思いますが、そうさせてしまった一因が他にもあった事について理解でき、著者の意見に同意できるところです。
    事件には直接関係ない私としては、VX事件の証人に出廷された被害者さんのご意見が御尤もと思ってしまった事は、一般人的意見の集約かと感じました。
    裁判に行くこともない私にとって、法廷内の雰囲気が感じられた良著でした。

  • 2017/4/27読了

    タイトルの通り、「笑える」
    面白いとかではなく。
    苦笑い、つまらなさの極みの笑いだ。

    戦後最大、最悪の国内テロ
    オウムの一連の事件の一番重要参考人・・・というより
    一人のどうしようもない愚かな男を裁くに裁けない
    子供のままごとのような裁判のおはなし
    馬鹿正直に金をかけて、プライドと立場のためだけに弁護を受けた愚かなエリート弁護人があたふたするノンフィクションだ。
    私にはそう見えた。
    とらえ方は様々だろうが。。。

    これは被害者側からしたら、発狂ものであろう。
    何一つ話されず、裁判そのものが全く進まない。
    本にまとめて読むのにかなり体力を使う裁判の記録なのならば、実際はどうだったのかなんて、想像しやすいだろうか

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