- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104749010
感想・レビュー・書評
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伊丹十三ファン必読の書!
以前、エッセイ集「ヨーロッパ退屈日記」を読んで以来、映画監督としての氏しか知らなかった私は、氏のオモシロサの幅を知り、急速にファンになりました。
そんな氏の作品と活動をより幅広く知ることができ、また氏と親交のあった人々による「伊丹十三」像が、彼らの視点から垣間みることができる一冊。
あの旅番組「遠くへ行きたい」に企画から関り、CM製作や雑誌の編集長の時代もありり、父として子育てに奮闘していた姿もあり、明朝体レタリングの第一人者?色々彼は第一人者であったりするわけですが、「多才」の幅が想像以上の範囲におよび、その経歴から追おうとすると、むしろ正体不明......。
でもよくよくみると、今までのエッセイ、CM、映画など、手がけた数々の作品そのものに”伊丹十三”その人があらわれていたりする。
とくに私が好きなのは、食道楽だった氏がアメリカ・ニューヨークの食と向き合っていたときの出来事が書かれた章。
「ーその国の文化に対して愛情と理解と尊敬を持ちたいという謙虚さを失いたくないとするなら、やはりその国の一番の良さというものを探り出すことは旅人の基本的な義務じゃありませんか。ー最後にあなたに小さく耳打ちしましょう。『私の信念ーメニューの中に、うまい物が必ず一個はある』」
(笑)...やっぱり伊丹十三氏が、好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いいなあこのセンス。伊丹十三みたいな旦那さまが理想です。
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「13の顔を持つ男」「余人をもってかえがたい」などと言われる故伊丹十三氏。
ほぼ日(=ほぼ日刊イトイ新聞)で組まれた氏の特集を読んで、俄然興味が湧いて買った。
エスプリのきいた読み応えのあるエッセイや、精巧なスケッチの数々には、俳優及び監督としての顔しかしらなかった者としては、ただただ目を見張るばかり。
湯河原の自邸などのプライベート写真や家族にあてた手紙、また氏と交流のあった著名人たちからの寄稿などもあり、彼の才能のみならずその人となりがじっくりと味わえる。
気軽に買えるお値段ではないが、それ相応どころかそれ以上のものがあると思わせる、内容の濃い一冊。
ファンはもとより、氏のことに少しでも関心のある向きには是非おすすめします。 -
言わずと知れた伊丹さんの本。
伊丹さんのエッセイはエッジの効いた内容で、少しコトバを変えて他の人が言えば嫌味になってくるくらいのスレスレのモノ。
でもとても好きです。
伊丹さんが親戚のおじさんだったら恐らく家に入り浸っていたとおもう。
エッセイだけでなく伊丹さんを偲んでの著名人の回想や懐かしい味の素マヨネーズのCMコンテなど、伊丹ファンにとっては垂涎の本です。 -
伊丹十三好きにはたまらない一冊、生きてもっと映画を撮ってほしかったですね。
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「人が間に入れば入るほどつまらなくなるから全部自分でやる」
何かを創る人間に重要なことがこれにほぼすべて詰まっているなと思いました。 -
2005年4月20日、初、並、帯無
2015年10月16日、白子BF -
冒頭の、届かないラブレターのような、伊丹エッセイへの愛情に満ちた考察に感動。伊丹少年が苦労した作った飛行機の模型を、伊丹万作が「こんなもの飛ぶか」と言って踏みつぶしたエピソード。痛みの原体験は創造力の源になる。ルサンチマンの重要性…本人は辛いのだが。
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おもしろいひとだな。ひともそうだけど、この本自体(もとになった『考える人』の特集も)、よくできていると思う。俄然著作に興味が出てくるしね。