木槿の咲く庭

  • 新潮社
4.06
  • (8)
  • (2)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105052218

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ノンフィクションではないが、実際にあったことを元に作られた物語。
    第2次対戦時、日本支配下の韓国が舞台。植民地化され、名前を日本名にさせたり日本語を強要し、命も文化も取り上げられた事はどんなに辛かっただろうか?蔑んで傷つけたという過去を日本の学校では教えない。過ぎ去った事ではあるが、過ちを知り、心を向ける事が大切だと思う。
    懸命に生きる兄妹の姿が美しく眩しい。多くの人に読んで欲しい1冊。小学生なら高学年から。

  • 大戦中、占領下の韓国にアメリカ軍がハングル語でビラを配ったが、30年も日本語教育を強要されていた若い市民は読めなかったとは衝撃。特攻に行った韓国人が少なくとも10人。

  • 戦争というと自国の立場からどうしても考えてしまうが。
    わが国も戦争で、他国に多大な迷惑をかけていた過去は
    覚えておかなければならない。

    食料や資源の供給源として、大韓帝国を統治下に置いた日本。
    「皇民化」政策の一環として、様々な圧力をかける。
    「創氏改名」もその一環である。
    韓国人として生まれ育った名前を奪われ、日本名に改名、
    その後、再び自らの名前を取り戻すまでの五年余りが描かれている。

    主人公のうちの一人、妹のスンヒィは魅力的。
    質問魔で、家族思いで、おてんばで、かわいい。

    おじの行方が気になるところだが、日本の敗戦、南北に分かれた朝鮮半島。
    再会はかなわなかったのかもしれない・・・
    でも「あとがき」を読んで、ちょっと気持ちが落ち着いた。

  • 著者は韓国系アメリカ人2世。
    著者の母親が育った頃のエピソードをを絡めながら、当時の朝鮮の人たちの暮らしがよくわかるお話です。
    日本人のことをひどくけなすでもなく、淡々と実際に日本人(軍)から受けた被害が、10歳と13歳の兄妹の目線から語られています。
    テーマは重いですが、物語には惹き込まれます。
    今まで知らなかった歴史を知ることができます。
    ほんとうにかわいそうな時代でした。

  • 忌まわしい日韓併合の際の創氏改名に纏わる話を幼子から少女そして年頃の立場から描いた哀しい作品、日本人として忘れてはならない戦時中の愚かな行いに対して頭を下げつつ読んだ。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1960年米国イリノイ州生まれ。韓国系米国人二世。子どものころから詩や物語を書くのが好きで、雑誌に投稿していた。スタンフォード大学英語科卒。石油会社勤務、結婚、出産を経て、子ども向けの物語の執筆をはじめ、『モギ ちいさな焼きもの師』(あすなろ書房)で2002年ニューベリー賞を受賞。作品に『魔法の泉への道』(あすなろ書房)、『木槿の咲く庭』(新潮社)などがある。

「2018年 『ジュリアが糸をつむいだ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

リンダ・スー・パークの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×