美しき日本の残像

  • 新潮社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105262013

感想・レビュー・書評

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  •  美しい日本の姿を残していきたいという情熱から書かれた作品。著者アレックス・カーの生き様でもあります。「美しき日本の残像」、1993.7発行。日本で一番美しい山は四国の祖谷渓(いやけい)。日本で一番神秘的な山は奈良の奥山。吉野、高野、熊野、大宇陀、室生など。タイトルに「残像」とありますが、自然と開発の調和がとれた国であった日本は汚れた。最後の夢が残っているのはミャンマーと締めくくられています。

  • 耳が痛いどころでは済まないぞ、これ。
    実を言いますと、身近でも自然がなくなりつつあります。
    なぜならば、ある自然豊かな保護地区を
    つい最近、コンクリートで固めたから。
    田んぼのままで残しておけばよかったのでは?
    と思うのですがね…

    2018年現在でこの調子ですからね。
    著者の嘆きはもっと深いものでしょう。
    確かに便利にはなったものの
    日本では大事な何かをかなぐり捨ててしまったのかも
    しれませんね。

    でもね、それでもうちの身内の家は部分的に
    木枠サッシが残った日本家屋よ。

  • 自然をたたえることは、現代の人には理解できないことかもしれない。たた、山を見に行くことは退屈で、することがあって初めて自然が面白くなる。らしい。
    だから、自然を壊してゴルフ場やスキー場を建てるのかもしれない。
    僕の自然は、中国の詩人の自然、または、芭蕉の俳句の自然です。
    古池に蛙が飛び込む、その音だけで嬉しくなる、あとはすることがありません。

    その通り!

    自然を壊してリゾートを作るのは日本。
    アジアや他の国では、自然の中を壊さず、その中にリゾートを建てる。

  • アメリカ人なのに日本人以上に日本を愛し日本のことを知っている人だと思う。
    日本の文化がどんどん廃って行っている中、日本を求めて日本で生きた人だろう。
    日本建築の美しさや日本の自然や歴史、そして美術品に至るまで、日本を求めてそれを実戦して日本で生きて来られ、日本人でないからこそ見られる着眼点や日本を探求する目を持っている人で、この本の中に私たちが失っていった日本をこれでもかこれでもかと問いかけている。
    日本にあった大切な日本の文化が順応性のある日本人(私たち)によってどんどん自分たちの文化を壊し続け、よき日本が消えて行っているという警鐘にも聞こえる。
    家屋についても、自然についても、文化についても私たちは知らず知らずのうちに日本の大事なものを手放し続けている今日。すでに気が付くのが遅かったかもしれないけど、この本を読んで日本という国のすばらしさを見つめ直すとともに失いつつある日本を取り戻す(学ぶ)事が大事だとつくづく思った。

  • 著者アレックス・カー1952年生まれ1991~2年.20年程前40歳頃書いた。
    僕より4才上、生きて来た境遇や生活体験は全く違うが、年代が近いのでとても興味深く 面白い。また楽しからずや。

  • 祖谷の茅葺きの話を聞いて読みたいと思った本でした。
    日本の捉え方がとても興味深く面白いんですが 時々、ムッ と感じる書き方をされてるのが 引っ掛かりました。
    ですので 評価はあえてつけません(笑)

    【日本縦断参考本】

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著者プロフィール

1952年米国メリーランド生まれ。1964年に初来日し、1966年まで父の仕事の関係で横浜の米軍基地に住む。1974年エール大学日本学部卒業。日本学を専攻、学士号(最優秀)取得。1972~73年まで慶應義塾大学国際センターでロータリー奨学生として日本語研修。1974~77年、英国オックスフォード大学ベイリオル・カレッジでローズ奨学生として中国学を専攻。学士号、修士号を取得。著書に、『美しき日本の残像』(新潮社学芸賞)、『ニッポン景観論』などがある。日本の魅力を広く知らしめる活動を展開中。

「2017年 『犬と鬼 知られざる日本の肖像』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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