ピカソ (新潮美術文庫 42)

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  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106014420

感想・レビュー・書評

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  • (2012.04.24読了)(2007.05.27購入)
    新潮美術文庫の一冊ですので、32枚の絵画とその解説、画家の小伝、年表という構成になっています。

    ピカソの略歴
    1881年10月25日、スペインのマラガに生まれる。
    1897年、マドリードの美術展に「科学と愛」を出品、受賞。
    1904年4月、パリに定住、洗濯船に住む。
    1907年、「アヴィニョンの娘たち」を制作
    1917年、バレエ「パレード」の装置、衣装を制作
    1934年、「闘牛」連作を描く
    1937年、「ゲルニカ」を制作
    1947年、陶器制作に没頭
    1951年、「朝鮮の虐殺」制作
    1957年、ベラスケスの「宮廷の侍女たち」による連作
    1964年、「画家とモデル」連作制作
    1973年4月8日、死去、享年91歳

    日本では、印象派の展覧会と同様、ピカソの展覧会も割と頻繁に開催されます。
    ずいぶん見てきました。純粋なキュビスムの作品は、ブラックの作品と見分けがつかず、あまり好きにはなれないのですが、それ以外の作品は、割と楽しく見ることができます。色彩がよかったり、形がおもしろかったり、テーマが心地よかったり、ピカソが楽しんで作品の制作している様が伝わってくるようです。
    とはいえ、この画集に納められている作品は、個人的にはあまり好きな作品はありません。粟津さんの好みと大分違うようです。
    ピカソが結構制作している版画、彫刻、陶器の作品が全く取り上げられていません。残念です。

    ●眼を開ける(76頁)
    ピカソには、眼を開き、おのれの肉眼によって、ちょうど手で物に触れたいという、執拗な欲望が燃えたぎっているように思われる。
    ●エルンスト(77頁)
    エルンストは、木の葉その他さまざまな現実の事物の上に紙などをのせ、それを鉛筆やコンテなどでこすり、そこに浮きだした形をおのれの想像力の出発点とする「フロッタージュ」という手法を編み出しているが、物に紙をのせてこするなどという作業は、まさしく、事物そのものに眼を重ね合わせることにほかなるまい。エルンストは、このような作業を通して、事物を、現実的な意味の網の目から解き放ち、それらを恐ろしく喚起力に富んだオブジェと化するわけだ
    ●ピカソの制作品の時代区分(81頁)
    美術史家は、便宜上、ピカソの制作の諸時期を、「青の時代」、「桃色の時代」、「キュビスムの時代」、「新古典主義の時代」、「シュルレアリスム時代」といったふうに分類命名している

    ☆関連書(既読)
    「人間ピカソ」瀬木慎一著、日本放送出版協会、1973.04.20
    「ピカソを考える」坂崎乙郎著、講談社、1979.11.26
    「ゲルニカ物語」荒井信一著、岩波新書、1991.01.21
    「青春ピカソ」岡本太郎著、新潮文庫、2000.07.01
    (2012年4月25日・記)

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著者プロフィール

評論家・仏文学者

「2016年 『辻井喬=堤清二 文化を創造する文学者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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