- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106019524
感想・レビュー・書評
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食器の細かな点に生活の工夫、美意識があることを教えてくれる。民芸にもっと関心を持たねばならないと思った。
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食器が大好きです。と言っても、作家物は買えないので、5枚一組¥3000ぐらいのものを中心に、自分の好きなものを選んでいます。この本は、焼き物の種類ではなく、食器の大きさや形について、書いてあります。夫婦茶碗、妻用が小さいのは、差別だ!と言った人をテレビで見たことがありますが、食器における性差は差別ではないそうです。食器を手に持つので、手の大きさに合わせたサイズになっているそうです。
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秋岡芳夫氏の著作は内容の似通ったものも少なくないがつい買ってしまう。「用の美」。いやぁ〜、ニッポン人に生まれてよかったぁ。
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生前に知己を得ることが出来なかったのが惜しまれてならない秋岡 芳夫の晩年の作になる一般向けの軽いグラビアムック.著者は,インダストリアルデザインの分野に於いて1960年代初期に丸正ライラックなどの先進的名作を残しながら,のちに流行の一線から身を引き,日本の伝統工芸技術の研究発展に尽力した,私が尊敬して止まないデザイナー.
この本でも融通自在に,どういう食器が優れているのか,すなわち日本の古典食器の優れている理由はどこにあるか,日常食器の望ましい寸法やプロポーションはどうあるべきなのかを写真やスケッチを添えて具体的かつ説得力豊富ながら平易に語っている.
かといって著者は単に因循な伝統至上主義者に退行したわけではなく,例えば雑器として価値を認められていなかった無地の黄瀬戸をパスタボウルに使うというような提案は,他の追従者に対して随分と先進的だった.
それにつけても,鬼面人を愕かすが如きプレゼンで他を圧倒して仕事を毟り取り,突飛な流行をでっちあげる事に狂奔するデザイナーばかりが幅を利かす今,こういう静かな硬骨漢も滅びつつあるか.デザインは決して喧嘩事を表芸にしてはならないと思う.コンペティションとバトルは断じて違うのだ.