ダンディズムの系譜 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 119
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036309

作品紹介・あらすじ

顰蹙を買う反逆の徒が、なぜ「男の理想」となったのか?華麗な装い、大胆な立ち居振る舞い、事に臨む態度で、氏素性に関係なく周囲をひれ伏させる男がいた。「ナポレオン(英雄)になるよりも、ブランメル(ダンディの祖)になりたい」と詩人バイロンにいわしめた、絶対的な魅力の正体とは?時代ごとのカリスマ、理想の男たちのまばゆい系譜と「愛され力」を、気鋭のファッションジャーナリストが徹底解剖する。

感想・レビュー・書評

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  • ダンディズムとは何かということを、実在の人物を紹介しつつ書かれた本。学びになります。

  • 170729 中央図書館
    女子目線でいうダンディズム・・すなわち「見た目(衣服)」と「目に見える行動(態度)」についての批評に偏っているかもしれない。内面の行動規範のあり方や信条の持ちよう、その背景などについては、一応の解説はあるが、ちょっとあっさりしている。
    オスカー・ワイルド、ジェイムズ・ボンド、チャーチル、オバマなど、エッという名も列伝には出て来る。

  • w

  • ディズムとは何なのか。男も憧れるダンディを、歴史的にダンディな方から読み解こうとした本。ジェントルマンは紳士と訳すが、
    広く統治者として、リーダーとして、1人の男として理想的なあり方そのものある。よって、スポーツや政治にまでジェントルマンシップが浸透している。
    一方でダンディとは、あくまでもお洒落な奴である。このダンディさとは一体というのがテーマである。エレガンスやセクシーとも違う。やっぱりジェームスボンドかなと個人的には思うのだけど。「事実は鋭い剣、読書は剣をふるうための筋トレ」とチャーチルは言う。強烈な個性と、努力から来る自信があり、それが服装や振舞にも意思が通っていること。「成功とは失敗に失敗を重ねても情熱を失わないこと」であると言い放つ。やっぱりかっこいいよなと思う。

  • ダンディズム感じるよね、というのは男性に対するほめ言葉だと思ってたけど、最近その台詞があまりに濫用されているのに気付き「え・・その人はダンディとちがくない?」とつぶやくことが多くなり、でもそもそも考えてみたら「ダンディー」って何よ。と疑問に思ったので、暇つぶしにとった本。
    ダンディズムの系譜をたどり、実際の歴史上の「ダンディ」な男たちを詳しく見ていくというなんともニッチな本です。ジェントルマンとの関係性とかも言及されていて面白い。

    ダンディーであるには、「何らかのハンディを持ちながら、それをプラスの価値に転じ世界の価値観をひっくり返すという瑕疵が不可欠」なのだそう。なるほどね、言葉にされると納得できる。
    虚しく、軽薄で、馬鹿馬鹿しく。時代と社会に抵抗し、破滅も辞さず、愚かしい男・・空気を読まない天邪鬼。でも人の心を惹きつける、愛すべきはみだしもの。
    ダンディズムを貫いた歴史上の人物たちの生態を読むと、その存在自体が芸術のよう。

    ちなみに私の場合、本著を読む前に「ダンディー」と言われて真っ先に連想したのは「偉大なるギャッツビー」のギャッツビー氏(Robert Redfordの)、そして「紅の豚」のポルコ。
    あながち「ダンディー」の意味認識は間違っていなかった模様。

  • 2011/12/9 参考図書

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-10953961605.html

  • タイトル通り、ダンディズムが生まれてから現在に至るまでの系譜を代表的な人物を挙げることで、語られている。

    ジェントルマンにせよ、ダンディズムにせよ、定義に可塑性があることで時代に適応してきた経緯があり、その変化を追うだけでも楽しめた。また、登場する有名人が現代のファッションにどの様な影響を及ぼしたかなどのトリビア的要素も多かった。

    最後の章の現代のダンディズムについてのテーマで、男性のファッションにおける領域が増えることで、生きやすくなるのではないかという問いや、レトロセクシャルの復権、バダスの登場などは示唆に富んでいて、消費社会的なトレンドの今後を考えさせる内容だった。最後の章だけでも一読の価値あり。

  • 090812

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著者プロフィール

服飾史家/作家。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得後、英国ケンブリッジ大学客員研究員を経て、明治大学特任教授、昭和女子大学客員教授などを務めた。イギリス文化を起点とし、ダンディズム史、ファッション史、モード事情、ラグジュアリー領域へと研究範囲を広げる一方、新聞、雑誌、ウェブマガジンなど多媒体において連載記事を執筆。
著書に『「イノベーター」で読む アパレル全史』(日本実業出版社)、『新・ラグジュアリー文化が生み出す経済 10の講義』(共著、クロスメディア・パブリッシング)など多数。

「2022年 『時代を変えたミニの女王 マリー・クワント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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