逃げられない世代 ――日本型「先送り」システムの限界 (新潮新書)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107719

作品紹介・あらすじ

2036年、完全崩壊。年金、保険、財政赤字から安全保障まで、国家システムの破綻は回避できるのか。危機の本質を若手論客が鮮やかに描き出す。すべての議論の出発点となる画期的論考!

感想・レビュー・書評

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  • 2019.6.26

    健康とスキル、そして資産運用をする術を持つ
    愛や友情も資産になるのね
    世間のこと何にも分からなかったけど、すこしだけ政治や経済に興味が持てた

  • 00619「逃げられない世代」宇佐美典也
    「2」問題提起はありきたり 解決策は皆無
    経産キャリア崩れ

    日本の課題「短期志向」政治も官僚も 
    →長期視点の欠落、先送り体質
    財務省 今年度の繰り回し=国債利払いの極小化
    低金利が最大ミッション 財政再建ではない

    社会保障の自然増加

    2025年日本の転換点と誰もが言う
    団塊の世代が後期高齢者になるから
    しかし長期的な抜本策は日本は苦手

    官僚は2 -3年で実現できる対症療法しかできない
    短期志向の政治とセットで先送りの構造 
    堺屋太一さんと同じ論

    人口減少超高齢化の転換点で先送りを続けると国家は破滅する
    財務省も国債の残高よりも単年度の予算が関心事原料を抑えられれば目の前は回っていく

    財政社会保障原発過疎あらゆる大きな社会問題が先送りされている
    わが国は氷山が目の前のタイタニック号だ
    それでも東京オリンピックと言うダンスに酔いしれる方を選んでしまうのが国民性

  • 日本では多くの課題が先送りされていることを指摘して、"個人として責任感のある政治家や官僚が、政府の組織としての無責任を助長(p41)"していると看破している.きちんとしたデータを基にした論考は信頼できるものと感じた.安全保障の問題で中国の動きを的確に捉えて、アメリカとの関係を今後どうするかを真剣に考える時期だとの指摘も納得できるものだ.日本のこれまでのあり方は、"自由貿易体制下で資源を輸入して、フルセット型の産業構造で国内の需要を賄いうる経済体制を整備し、余剰を輸出して貿易黒字を維持する(p232)"という経済安全保障のモデルであったが、これをどのように変えていくかが今後の重要な課題となるだろう.地に着いた論考だった.

  • 日本型先送りシステムの存在理由がよくわかった!

  • 著者のこれまでの作品よりもずっと良い。
    日本のシステムの限界をわかりやすく述べている。著者は日本の未来に希望を捨てていないが、その点には首肯しかねる。自分が生活保護行政に携わっているから故の厭世観かもしれないが。

  • 第1章
     この本に求めていた内容ではなかったので読み流す。キャリアへの自負が鼻につく。自負を持つ事自体は悪くないがこの本の中で書く事ではない。

    第2章・第3章
     社会保障と安全保障について。コンパクトにまとまっていてこの本の核となる。

    第4章
     原子力発電についての考えは自分と異なる所もあるが、原子力の尻拭い技術大国を目指す視点は自虐的にありかな、と思った(著者はそんな意図はないかも知れないが)

    高久書店にて購入。

  • 元官僚のわりには非常に読み易い。政治システムの不備には激しく同意。エネルギー安全保障はなるほどなと。ラストのモーニング娘。の話はふざけ過ぎやな。なんというか、こういう頭のいい人ってたまにアイドルの話出しがちだし、何故かそれを日本の行く末とか壮大なものにリンクしがち苦笑

  • covid禍以前の2018年刊行だが、元経産省の官僚だった著者の政官界の状況に対する分析は今も全く違和感がない。

    我が国の財政状況や安全保障についての状況分析も的を射た中庸不偏なもので、わかりやすいし、納得感がある。

    今後について書かれた3章は著者の性格なのか、読者へのサービスなのか、やや楽観的に思えるが、将来は未確定だし、「先送り」が奏効することもあるという著者の指摘も踏まえれば、本書の締めくくりとしては妥当と思える。

    これからの社会に生きる人は所属する組織から適切な距離をおき、自己の市場価値を高めなければいけないという著者の指摘は全くその通りだと思う。

  • 通産省のいわゆる「キャリア」から独立した筆者が、日本の政治が問題先送りをしてしまう構造上の問題と、歴史・社会情勢から今後の世の中を生きる日本人がすべきことを論じている。

    一生懸命やっているはずの優秀な官僚や政治家達が「何も決められない」と国民から叩かれ、野党も反対するのみで短期的な視野しかもてない。その背景を当事者だった筆者が分かりやすく解説している。結局は戦後の成長モデルとなった前提が時を経て崩れてしまったのに、仕組みを変えきれていないところに原因があるようだ。

    今後の日本及び日本人が行くべき道を説いている。個人レベルで言えば、「人生100年時代、現役時代から努力してセカンドキャリアの道筋をつけておくべき」と、当たり前と言えば当たり前の提言しかないのは少し肩透かしを食った。しかし資源小国の日本における安全保障政策」と立ち位置の確保の提言は、現実を考慮すると非常に説得力がある。

    国だけでなく、個人レベルでも、短期的な視野だけでなく長い目でみる努力が必要、というのが本書の結論だった。

  • 総合的な観点から、年金などの社会保障から、安全保障、エネルギー政策などをまとめれる意見です。
    内容的に右左公平な感じですし、本来のリベラルの報道ってこうあるべきじゃないの?という内容でしたので好感を持ちました。
    4章にぶっちゃけわれわれの世代はどれくらいの年金がもらえると想定されるのか?という点は非常に理論的に算出されていて、老後資金が気になる人は参考にした方がいいと思います。

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著者プロフィール

制度アナリスト。1981年東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、経済産業省に入省し、企業立地促進政策などに携わる。在職中にブログ「三十路の官僚のブログ」で注目を集める。新エネルギー・産業技術総合開発機構で電機・IT分野の国家プロジェクトの立案およびマネジメントを担当したのち2012年に退職。現在は太陽光発電などの再生可能エネルギーについてのコンサルティングとともに、著述活動やメディア出演を行っている。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』『菅政権 東大話法とやってる感政治』など。

「2023年 『電力危機 私たちはいつまで高い電気代を払い続けるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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