カズのまま死にたい (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106108518

作品紹介・あらすじ

現役をやめるのは死ぬとき、かも。13年ぶりにJ1の舞台へ――。プロ生活35年目に突入、今日をせいいっぱい生きるキング・カズの終わりなき前進の軌跡。「願わくば、死ぬまでカズのままでいたい」

感想・レビュー・書評

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  • 10代から各地を転々をしていたカズですが、
    横浜FCにはもう15年も在籍!

    この本は日経新聞朝刊のスポーツ面に隔週で掲載している彼のコラムをまとめたもので、もう14年位つづいているそう。
    そして横浜FCの13年ぶりJ1昇格決定でしめくくり。

    だからこの本は50代で頑張っているカズとともに
    横浜FCの長い下積み後のサクセスストーリーのようにも見えます。

    超ポジティヴなカズに活をいれてほしくて
    この本を読みました。
    言葉をいくつか記録させてください。

    〈「こんな女性がいるのか」と僕の胸が震えたのは19歳。伴侶のあの美しさを、超える女性は僕のなかで見当たりません〉

    〈不運なケガ、悲運の敗北。勝負の世界は運が働く。でも僕は運に頼らない。止まって待つところへそれは転がってこず、目標に向かっている人の足元へしか運というものは回ってこない。現状維持は停滞。自分を進めることだけを考えていたい。〉

    〈以前は手にしていたものがなくなり困ったとしても、どこかで似たものを見つけ、仲間もつくって。どの町でもそうだった。環境を自分の色に染めるすべをいつしか身につけたというか。環境なんてものは、自分がつくればいいと思っているから。〉

    〈人生はどこかでリズムを狂わされる局面に出くわすものだ。予想外のこと、自分ではどうにもできない要素。いい風ばかりは吹いてこない。試合に出たりでなかったりが繰り返されると、自分が流れに乗りかけていても引き戻されることがある。継続性が切れれば、メンタルも安定しない。
    そんな風にぐらつかされながらも、心は崩さず、立て直し続けていく、大リーグのイチローさんにはそうした力をいつも感じる〉

    〈喜びで迎える朝があれば、悔しさを抱えて迎える朝もある。そのどちらもサッカー人生。誇りも夢も、取り戻すなら練習しかない。そこにしか僕の進む道はない〉

    〈思うようにいかないのが戦いの常だとしても、平坦でなかった道のりが財産となり、強みとして、今も僕のなかで生きている〉

    〈心技体、ベテランになるほど一つといわず全部大事になってくる。すべて揃わずとも、できてしまうのが若さ。僕らは一つでも欠ければその分、パフォーマンスは落ちる。あのやり方も取り入れたい、この要素もやっておかなきゃ…時間が足りないくらいだよ〉

    〈Jリーグ創設時の20代が一番かというとそうでもなく、きょう、今向き合う一日が最も充実していると素直に思える、50歳はまだ5合目、見習のカズです〉

    〈経験を積んだ者なら、頭を使おう。体の切れる若い人は走れるし、動けるよね。サッカーという形に限らず、何事も同じなんだろう。仲間があって自分がある。生かし生かされ、助け助けられて。そんな法則が働いているのが、いつからか分かるようになるんだ。
    若いときは自分勝手。ブラジルで修行時代の僕も必死だったし、自分ができることしかやってなかった。その身勝手さを、周りのベテランがバランスを保ちつつうまくさばいていてくれていたのだと、この年になってよく分かるよ〉

    〈飛びぬけて優秀な人が集まるのがプロの世界。どこで差がついていくのか、日本代表をみても察しは付く。必ずしもすごい俊足や肉体の持ち主じゃない人が代表の主将や軸になる。人間的に成長したときに、サッカーでも成長しているんだよね、これは。人の痛みが分かる、あいさつ、片付け、日常の心がけ。抜け出したければ、自分の人間性を高めることだ〉

    〈敬意(W杯組み合わせ抽選会に招かれモスクワへ)にあずかれるのは、ブラジルや欧州で自分が必死にたどったストーリーに価値を認めてもらえたからだろう。サッカーのくれた「つながり」の大きさ。やってきたことはこうして確かにつながっていく〉

    〈成功し続けるようにみえる人も、実は浮き沈みをしているものなんだ。必ず訪れる波の底で、どれだけ踏ん張れるか。反転のための手引書はない。でも僕らはそこから再び跳躍してみせる。人生は、何回成功するかじゃない。何回はい上がれるかだ。そんなフレーズを胸の中でリフレインしています〉

    〈鹿島のように常に強いのも立派な歴史だけど、それとは違った幅や底力があるというか。誰も挫折はしたくない。停滞や降格なんてないのがいいに決まっている。でも、したくはない経験も一つの財産なんだ。失敗や悲哀も人の自分史に深みを添えていくように〉

    〈未来を生み出すものは過去の積み重ねしかなく、過去が未来をつくる。でも僕は逆も真なりと思う。いわば“未来が過去をつくる”。貧しくも苦しい時期を過ごしても、後に幸福になれれば美談として語られる。昔の手痛い失敗も、今が上々なら笑い話に変わる。(中略)
    人の羨む実績や功績などは、僕に言わせれば、すぐ忘れ去られる薄っぺらいものだ。代わりに僕のそばに常にあったのは危機感でしかない。過去が膨らんでいく年ごろになるほど、それを輝かせるのは未来なのだとより強く感じるようになった。だからこそ、あらん限り今を頑張るのだと〉

    今年はカズの試合をみにいきたい。

  • 何歳になっても向上心が変わらない。
    むしろ常にアップデートをし続けて本気で上を目指している。
    だからこそ50歳を超えても現役として続けられるのだろう。
    夢を追いかけるサッカー少年のような心の持ち方をしているなと思った。
    いつまでも若く。

  • 同年代が現役でいる限り応援したい。
    彼と住む世界が違えど、読まずにはいられなかった。

  • これぞ、キング・カズ❗
    キングの世界に浸りたい方は必見です‼️

  • 和さん、読んだヨ

  • 悪しきマンネリや惰性の芽は 殊更に言葉にしなくても染み付いているもので 止まって待つところへそれは転がってこず、目標に向かっている人の足元へしか運というものは回ってこない。現状維持は停滞。自分を進めることだけを考えていたい。 少しずつ進めるのが穏当なんだ あの誇りという名の反骨心は怯みもしなかったと思う 久保建英たけふさ 渋野日向子ひなこ

  • サッカーを好きになったきっかけをくれた人。こんな強くカッコいい男になりたいと初めて思えた人。学生時代からこの人への憧れ、リスペクトは変わらない。むしろ、年々強く深まっている。

    またゴールを決めて、カズダンスを見たい!その日まで、ずっと応援し続けます✨

  • ちょっと古臭い価値観なところもあるが、そういうのも大事だと思う。

  • 好きだからこそストイックになれる。喜びを感じるからこそいつも100%で準備しておきたいという執念がある。
    たまにある良い緩みもカズらしさを出していて、カズが1番のカズファンであることも感じられた。

    言葉を選んでいる様子もなく、全てが本音で語られてる。

  • 読了 20201128

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