新潮日本古典集成 第60回

著者 : 本居宣長 日野龍夫

• 新潮社 (1983年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[djuaxさんの感想 · 2021年8月16日]

古代の中華は滅んだ。清は異民族であり、中華ではない。中華文明を礼賛する儒学者けしからん。朱子学は孔子の正統な儒学ではない。中国崇拝を止めよ。山鹿素行『中朝（＝日本）事実ちゅうちょうじじつ』1669
※聖教要録せいきょう・ようろくで朱子学を批判。幕府（保科正之）により赤穂（兵庫県）に配流（はいる）・流罪。

漢意（からごころ）を捨てよ。中国かぶれを捨てよ。中国の本を読んだり、中国風の立ち振る舞いだけを良しとするな。▼日本が中心にあり、中国は西戎である。▼もののあはれ。無常観にもとづく哀愁。しみじみとした情趣。悲哀に限らず、嬉しいこと、おもしろいこと、楽しいこと、おかしなこと、すべて嗚呼と感嘆されるものすべて。源氏物語は「もののあはれ」を表現。※それ以前は源氏物語は儒学的に解釈されていた。本居宣長

理知的な議論や言動はだめだ。人間の理知には限界がある。認識できるのは五感で知覚できる事実のみ。宇宙の究極原理や因果応報のような経験の外にあることは知ることはできない。

人間は善人も悪人も暗くて汚い黄泉の国へ行くほかない。死はとても悲しい出来事だ。儒教や仏教のように理屈をつけて、悲しみを克服しようとすべきでない。

神は特定の形をもたない。人間に畏怖の念を抱かせるものや、人知を超えた不可思議な現象が神のあらわれ。

死後に霊魂は別世界へ行き、そこでオオクニヌシが現世での行いによって賞罰を与える。平田篤胤。

[4880booknewさんの感想 · 2018年10月27日]

2018/08/05