傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 7 (BUNCH COMICS)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784107725240

作品紹介・あらすじ

王妃付きモード商として、アントワネットの元へ、日々、足しげく通うベルタン。自分の置かれた状況への不安を吐露する王妃を鼓舞し、さらなる高みへ野心を燃やす。そんな折、師パジェルの店トレ・ガラン破産の報せが届く。「いずれ朽ちるなら、自分が蒔いた種の土になりたい」――師の言葉を胸に刻み、次に仕掛ける流行は“王妃風”。髪結いレオナール、調香師ファージョンと共に、若い王妃をファッションの中心へと押し上げる――!!

感想・レビュー・書評

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  • マダム…。女性が生きるのが大変な時代を実感。
    マリーアントワネットと出会い、のし上がっているけど…
    なんだか思っていた方向と違う。
    フランス革命に繋がるのだから、そりゃそうなんだけど、だんだん不穏な空気が出てきている。
    本当に貴族と平民の差よ。
    ただ美しく装わせたかっただけなのか?
    ならば、なぜあんなに派手に。
    ベルタンは何を思って衣装を作ったのだろう。

  • ベルタンがアントワネット付きとなった事から本格的に始まる王宮を舞台とする流行争い
    平民という出自が邪魔をするかと思いきや、アントワネットの信頼を早い段階から獲得していた為か割合すんなりとベルタンの衣装が通っていく感じだね
    この点はアントワネットが他国から嫁いだ為に慣習や礼儀に縛られたくないとの性格も手伝ったのだろうけど

    ベルタンが飾り付けるはフランス王妃。ベルタンが腕前を示すに格好の画材となる対象
    でもアントワネットは今の段になっても不安感と戦っていたのか…。立場としてはフランス王妃であっても、本当に自分は周囲からフランス王妃と見られているのか
    この不安感に対して、いつもどおり自信満々に腕によりをかけて飾り立てようとしたベルタンだけど……

    いや、まさかこのタイミングであのような訃報が飛び込んでくるとは予想外だった……
    ベルタンはその流行を形作る腕前を買われて王宮に招かれた。そうして国の中心に居る王妃付きとなれば、それはベルタンが流行の中心になるようなもの。だからこそ他の業者にとっては苦境となってしまうというわけか…
    ベルタンの成功、それが刃となってかつての師を切り刻んでしまうのはあまりに残酷な運命。
    パジェルの死に涙を流せなかった、いや流す資格がなかったベルタン。彼女に託されたのはひたすらに成功への道を歩み続けることか……

    そしてこのような哀しみが有っても、仕事には何の影響も持ち込まないベルタンは本当に仕事人間ですよ…


    ファージョンという新キャラを交えて始まるのは"王妃風"旋風
    ベルタン、レオナール、ファージョン。三人が組んだ事から本格的に始まる王妃アントワネットを中心とした流行作り。衣装、髪結い、香水と隙のない構えで展開されるアントワネットの飾り立ては王宮全てを魅了するかのよう
    以前はなんやかんやアントワネットに反発する者が見られたけど、この巻でそのような者はほぼ見られない。それどころか彼女によって展開される流行を支持する者ばかり
    ベルタン達が仕掛けた流行は王宮の構図すら塗り替えかねないものとなっていく様子が手に取るように判るね

    ……そんな華やかな王宮の外では不穏な足音がひたひたと。飢え死ぬ民、アメリカ独立戦争、王妃に関する醜聞
    オーギュストからは辛うじてそういった事態に言及する様子が描かれるものの、アントワネットからは皆無。またオーギュストも言及はしても仮面舞踏会を変わらずに楽しむ様子も同時に描かれるなど現時点では最優先事項として扱っていないと察せられる
    少しずつ王宮の内と外のズレが見え始めてきたような気もするけど、それでも変わらずに催された戴冠式。それはまるで最期の煌めきのようだ…

    そしてこれだけ綺羅びやかな光景を前にしても女性としての幸福を志そうとするベルタンは何処まで登り詰めようというのだろうか……

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