マンハッタン、9月11日: 生還者たちの証言

  • 中央公論新社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120033124

感想・レビュー・書評

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  • 消防士たちの勇敢さに焦点が置かれているわけでない本。

    これは、あのテロの直後に読むと生々しすぎてついていけなかったかも。

    月日がたって、読むと、客観的に見れてまだよい。

    さまざまな角度から見た9.11だ。

  • 事実をありのままに書き記すことはとても大事なことですが、ものすごくつらい作業だとも思うんです。<BR>
    書き方としては村上春樹の『アンダーグラウンド』に近いと思います。事実を思い起こそうとした影が見え、その分だけ粗さが目立ちます。何度もテレビで繰り返し観た、貿易センタービルに飛行機が突入する瞬間、人々がどんな状況にあったのか。今、まさに避難中だった人、ビルから逃げ出し、遠くからその惨劇を目の当たり
    にした人、救助中だった人…それはさまざまです。<BR>
    人がビルから落ちていく光景をずっと見つめていた目もあります。一度は死を覚悟し、現実には存在し得ない力に救われたという人も居ます。<BR>
    この本の中で証言している人々は、幸運な生還者と呼ぶにふさわしいのかもしれませんが、文字の羅列だけでこれほどの衝撃を与えるあの日をアメリカで過ごし、果たしてこの救われた命をどう生きるのかが気がかりに思えました。<BR>
    <BR>
    友人を失った人、恩師を失った人、仕事仲間を失った人。そして、同じく生死を分けた選択によって生き残った人は、
    戻らない人のことを思って、素直にいまある自分の命を受け入れられないかもしれません。<BR>
    私的には『救出へ−』のところにある、消防士・警察官のコメント、もしくはそれらにあてられたコメントにいちばん
    衝撃を受けました。<BR>
    あの、壊れ行くビルを上へ上へと昇っていく姿、誰もが恐怖におびえた瞬間にも冷静に人々を動かし続け、ビルの中に消えた警官を思い出すときに、語る誰もが再び、あの惨劇を思い出したのではないでしょうか。<BR>
    それがたとえ仕事で、使命であったとしても、擦れ違った階段で、ロビーで、人々は生死を分けています。
    <BR><BR>
    一人のコメントに、「迫り来る死を感じながら、死の声を聞き」と書かれてありました。<BR>
    ”合衆国最悪の日、地獄と化したあの場所で”という帯が付いていた本なのですが、まさにあの時、あの場所は普通の精神状況では耐えられなかった場所になっていたに違いありません。<BR>
    それから、文章を読みながら、やはり日本との違いとして、宗教観の強さを感じます。神に祈る人の数が多く、そして
    それがとても熱心であること。それがとても目立ちました。
    <BR>
    先にも書いたように、きっとニューヨークそのものの復活よりも、長い時間が一人一人には必要だと思います。
    もしかすると、生涯をかけて救いを求める人も居るかもしれません。
    <BR><BR>
    (2003年6月17日)

  •  忘れもしない2001年9月11日ふとつけたテレビを見たとき自分の目を疑った。アメリカでの出来事なのに驚きと恐怖と怒りがない交ぜになり、しばらく眠れなかった。
     繰り返し流れる衝撃映像に「う、うそでしょ」と世界中の人々が一体となった。
     あれからもう5年も経ってしまったのかぁ・・・。

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