そしてまた旅が始まり、

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120035982

作品紹介・あらすじ

生きる意味を見いだせない僕が選んだ"意志のない旅"。迷いこんだ国で待ちうけていたものは-パワフルでナイーヴ、スリリングでセンチメンタル。息をもつがせぬ冒険と哲学の物語。アカデミー賞受賞映画『グラディエーター』の脚本家が贈る、新しい時代の青春小説。

感想・レビュー・書評

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  •  旅の面白さは、日常生活から離れて、今まで知らなかった世界との出会いがあること。そのことを自覚できる瞬間が多ければ多いほど、旅は楽しい。たとえ出来合いのパックツアーに参加するだけでも、色々なものが見えてくる。逆に未知への旅を気取ってバックパッカー気取りで歩いても、そういう感覚が味わえなければ、目に入ってくる風景や人々も単なる書き割りと同じで、単なるスケジュール消化に終わってしまう。
     旅のスタイルは様々。でも、それぞれのスピード感で歩いて、出会いが自分のものになる感覚を味わえればいい。まずは一歩、部屋から出るべきだ。

     奇想天外なスピード感で味わう、幻想的でスリリングな旅日記。
     ラストシーンが印象的。それまで旅物語の中の登場人物という、ひとつの駒でしかなかった主人公が、初めて自分の感覚を信じて、もう一度かつて味わったはずの風景へと向き合う場面。それは主人公が、他でもない読者自身であるということを明確に明示してくれる場面。
     この小説の原題は直訳すれば「他者との交流」、あるいは「見知らぬ誰かのいる社会」とでもなるのだろうか。
     とりあえず、今そこにいるであろう「他者」と出会わなければ何も始まらない。スピード感ある物語が減速し終了したときに浮かんでくる感慨。

  • -人生はつらく、先にあるのは死だけだ-

    「部屋の外に出る理由がとこにある?」下流思考・ヒキコモリ・ニート・・の主人公が?!それはワタシ、それはアナタ。この本はアナタの物語。「あ、これ、私だな」と第一章で主人公と一体化したあと、とんでもない冒険の旅に出ることに!!!「ライ麦畑で捕まえて」が好きな人は好きに違いない小説。「グラディエーター」など映画脚本、児童小説家として地位を確立している著者が大人向けに描いた小説第一弾。「ウツだな」「誰とも話したくない」日に、どうぞ。

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