牢獄の超人

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 32
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120044380

作品紹介・あらすじ

一九九三年、鮮やかな夕陽が空を染める夏。突如放たれた銃弾が、将来への希望に満ちた青年の命を奪った。犯人は極誠会組員の山川遼。中国人マフィアの殺害に失敗し、一般人を巻き添えにした遼は組を破門となり、長期刑務所で服役することになる…。壊れゆく被害者・加害者の家族。自らの罪と向き合うこともなく、無反省な日々を過ごす遼。だが、獄中で「超人」と畏怖される男との出会いが、遼の魂を大きく揺さぶる-。無期懲役囚が描く、衝撃の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 2日ほどかけて読み終わりました。久しぶりに小説を読み切りました。
    序盤から中盤にかけてはただただ犯罪者の心理描写に自分も憎悪感を抱きつつ読み進めました。風景描写、心理描写等々の文章は質実なもので読みやすかったです。
    主人公がある出来事により改心しようとする姿勢や、加害者と被害者(双方の周囲の人の心情)、罪人の贖罪、それらが哲学や宗教を加えて超人として作者が語りかけてくる後半は一つの人生訓として心にとめておきたいものです。

  • H27/12/26

  • 著者の想いが詰まった一冊だと思います。
    が、塀の中の運動会程の爽快感はないです。
    しかし、主人公の懺悔の気持ちは、強く伝わる本でした。

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著者プロフィール

美達大和
1959年生まれ。無期懲役囚。現在、刑期10年以上かつ犯罪傾向の進んだ者のみが収容される「LB級刑務所」で仮釈放を放棄して服役中。罪状は2件の殺人。ノンフィクションの著書に『刑務所で死ぬということ』(小社刊)のほか、『人を殺すとはどういうことか』(新潮文庫)、『死刑絶対肯定論』(新潮新書)、『ドキュメント長期刑務所』(河出書房新社)、『私はなぜ刑務所を出ないのか』(扶桑社)、小説に『夢の国』(朝日新聞出版)、『塀の中の運動会』(バジリコ)がある。また「無期懲役囚、美達大和のブックレビュー」をブログにて連載中。http://blog.livedoor.jp/mitatsuyamato/

「2022年 『獄中の思索者 殺人犯が罪に向き合うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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