歌麿春画で江戸かなを学ぶ (単行本)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053993

作品紹介・あらすじ

著者は、江戸かなの難読16字「はたかにわけすれ(裸にわ毛擦れ)」と「おすきはつのほり(お好き初登り)」を覚えると当時の文章の八割は理解できるようになる、と唱える。「修行編」に収録した6本の練習問題を繰り返すうちに習得できるようになる。そのうえで、「実践編」では、喜多川歌麿の春画の中でも名作とされる『ねがひの糸ぐち』『艶本葉男婦舞喜(はなふぶき)』『艶本床の梅』を読み進めていく。画中に記された男女合歓のせりふやシチュエーションの説明(詞書き、書き入れ)がテキストだから、読者は膨らませた想像や妄想も手助けにして、くずし字がおもしろいほど読めるようになっていく。全巻を通して歌麿春画の妙をたっぷり堪能できるのも本書のおたのしみ。当時の風俗や独特の言い回しなどには脚注を付して理解の便とする。巻末には江戸かな一覧表が付く。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの江戸かなについては巻頭に解説があるものの、読者の愉しみは、あらゆるパターンの春画と台詞の鑑賞になるだろう。各作品ごとにオリジナル版と現代誤訳版が掲載され、見るべき箇所が分かりやすい。彩色や構図の慥かさ、台詞回しの面白さ、全般に漂うユーモアが、ただのエロ画との大きな趣きの違い。春画には魔除け的な性格もあったというが、昔の人達の性の捉え方が透けて見えるのも興味深い。

  • 著者が唱える江戸かな難読16字を覚えることで、歌麿春画の男女合歓のせりふや説明書きが面白いほど読めるようになる本。

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著者プロフィール

著者:車浮代 Kuruma Ukiyo
時代小説家/江戸料理・文化研究所代表
大阪出身。企業内グラフィックデザイナーを経て、作家の柘いつか氏に師事。江戸時代の料理の研究、再現(1200種類以上)と、江戸文化に関する講演、 NHK『チコちゃんに叱られる!』『美の壺』『先人たちの底力。知恵泉』などの TV出演や、TBSラジオのレギュラーも。著書に『江戸っ子の食養生』(ワニ ブックスPLUS新書)、『免疫力を高める 最強の浅漬け』(藤田紘一郎氏と 共著/マキノ出版)、『1日1杯の味噌汁が体を守る(』日経プレミアシリーズ)、 『天涯の海 酢屋三代の物語』(潮出版社)、『蔦重の教え(』飛鳥新社/双 葉文庫)ほか多数。西武鉄道「52席の至福 江戸料理トレイン」料理監修も。 『和食Style.jp 』にて「豆腐百珍のすべて」連載中。

「2022年 『江戸の料理本に学ぶ 発酵食品でつくるシンプル養生レシピ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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