幸せの追求-よく生きることを先延ばしにしない (単行本)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120055072

作品紹介・あらすじ

この本は言ってみれば、サバイバルと人間的成長のためのマニュアル、いわゆるレジリエンス〔苦難や逆境の中でもしなやかに生き延び、回復・成長していく力〕の手引書である。先の見えない不安な日々の中でも、前向きに幸せに生きることはできる。その力、すなわちレジリエンスを身につけるためのヒントを示すことが、この本を書いた目的である。――本書より


目 次

  はじめに

1  何よりもまず安心感を

2  逆境から立ち直る力

3  しなやかに適応する力

4  ポジティブな感情を育てる

5  減速して味わって生きる

6  他者との絆を結び直す

7  自分の人生に意味を持たせる

8  自分を縛るものから自由になる

9  死を賢く手なずける

10 働きかけることと受け入れること

   訳者あとがき

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  • 「生きるとは、嵐が過ぎ去るのを待つことではなく、降りしきる雨の中でもダンスを踊れるようになること」

    ただ首をすくめ、世界がより良くなるのを何もせずに待つのではない。
    前向きにしなやかに適応し自己を変革していく。
    "危機"という言葉が、"危険"とともに、"機会"という意味を内包しているように、どんな危機であっても、自分が変わり、人生の軌道修正をし、価値観を見直し、人生の本質に近づくチャンスとなり得るのだ。
    わたしたちが押し潰されさえしなければ、人生で遭遇する試練や苦難は、人間的に成長するための踏み台になりうる。

    単に生き延びるためではなく、できる限りよく生きるために。
    何もせずいつまでも受け身でいるということではなく、変化する新たな状況や動きに合わせて絶えず適応していく。
    新型コロナウイルスによる危機は、大勢の人々に強いストレスを与え、不確実な未来や経済的破綻への不安を生んでいる今だからこそ、ポジティブ感情を大切に育てるべきではないか。

    「ある感情は、それより強い感情によらないかぎり、抑え込むことも消し去ることもできない」。

    鬱々とした暗い気持ちは、明るく前向きな気持ちを喚起することによって、はじめて乗り越えられる。

    コロナ禍で強いられた状況は、必ずしもマイナス面ばかりではなく、生活のテンポをゆるめ、新しい生き方を試みる良い機会になった。
    もっと自然な生活リズムに沿った暮らしをしたい、大都会で過剰活動を余儀なくされる生活に終止符を打ちたい、という欲求を叶える減速生活が、心身にむしろ良い効果をもたらしているという側面もあるし、新しい形の内なる自由が感じられるようになったのもまた確かなことである。

    「人間は自由な存在として生まれたのではなく、自由になっていく存在であるとわたしは確信している」。

  • コロナ禍は多くの人の心を傷つけた。この苦しい時期をどう生きるか。哲学、心理学、社会学、そして脳科学を動員して答えていく。

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著者プロフィール

1962年生まれ。スイスのフリブール大学で哲学を専攻。雑誌編集者、社会科学高等研究院(EHESS)客員研究員などを経て、2004年に『ル・モンド』の宗教専門誌『ル・モンド・デ・ルリジオン(宗教の世界)』編集長に就任。2006年、『精神性小叢書』(プロン社)を創刊。宗教学、哲学、社会学から小説、脚本まで多彩な分野で活躍し、フランスの思想界、読書界で最も注目される著者の一人。数十冊の著書は25カ国で翻訳され、日本語訳に『仏教と西洋の出会い』『人類の宗教の歴史 9大潮流の誕生・本質・将来』(トランスビュー)、『ソクラテス・イエス・ブッダ』『生きかたに迷った人への20章』(柏書房)『イエスはいかにして神となったか』(春秋社)など。vv

「2012年 『哲学者キリスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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