ええじゃないか (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 63
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120055744

作品紹介・あらすじ

大政奉還前夜、史上最大の乱痴気騒ぎはなぜ起こったのか。やくざ者に老婆に童、新米御庭番と御用町人。三河国吉田宿に降った数枚の御札が、彼らの命運を、そして天下をも混沌の渦に陥れていく――

作家生活10年目に切り拓く新境地。人智を超えた運命の交錯が、歴史を、物語を駆動する!

感想・レビュー・書評

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  •  舞台は三河と京都になります。

     『ええじゃないか』をうまく使いこなして金儲けの大博打を仕掛けるましらたちと将軍の直下と言いながら、武士の誇りを忘れてしまったような父に怒り、自分の手で手柄をあげようとする若い市之丞の物語が絡み合い、幕末の混乱を描いた秀作です。

     私の中で『ええじゃないか』騒動って、きちんと調べたこともなかったこともあり、幕末の混乱期の集団ヒステリーみたいなものなんだろうなぁとずっと思っていました。

     この作品を読むことで、全く違うことがわかり赤面。諸星さんの短編のコミックの中にでてくる「ドンマイダンス」とか思い出してましたし、いま、同じことを思ったあなたは同志ですよWW

     半七捕物帳の「旅絵師」を読んでいたので、御庭番は少しだけわかってました、この偶然は凄いなぁと思ってしまったわ。

     今回、私が気にいったのはとっても腹黒い坂本龍馬と優しくて厳しい井上源三郎の二人です。視点を変えると全く別になるというのを読ませていた来ました。実際、坂本龍馬は武器商人ですし、ましらに頼んだことをやりかねそう(;^_^A

     『ええじゃないか』がどんどん変わっていき、打ちこわしや暴動めいたものへ変わっていくことに怖さを覚えながら、人間はこうした巨大なエネルギーを得ることが出来たら、普段は理性で抑えているものも悪意へと向かうこともあるのでしょう。

     考えさせられる一冊でありました。楽しい時間を過ごさせていただきました。
     とっても面白かったです♪

  • 2024.1 この小説を読んで、アメリカ大統領選を思い出した。世の中の景気が悪いのはお上のせいだ、資本家のせいだ、自分たちが犠牲になっているとお店を打ち壊して強奪していくのも「ええじゃないか」。時代の流れといってしまえばそれまでですが人間の業を感じさせる娯楽小説でした。

  • 幕末の混乱のなか回天の象徴としてのええじゃないかを追うなかで新たな時代の行き先に惑う人々がリアルに描かれていてとてもおもしろい。

  • 尻上がりに面白くなった。

    『おもちゃ絵芳藤』でも描かれていたように、幕末の価値観の変化に翻弄される人々の姿を描いているが、幕間で語られているように、新型コロナウイルスや、ウクライナ情勢、沈みゆく日本の現状などから、『ええじゃないか』の人々の心のうちに重なるものを感じた気がした。

  • 幕末に起こった史上最大の乱痴気騒ぎ。三河国に降った数枚の御札が、やくざ者の晋八、御庭番の市之丞、そしてこの国の運命を変える!

  • 有名人は出さなくても良かったかな

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著者プロフィール

1986年東京都生まれ。2012年『蒲生の記』で第18回歴史群像大賞優秀賞を受賞。2013年『洛中洛外画狂伝』でデビュー。2018年『おもちゃ絵芳藤』で第7回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。演劇の原案提供も手がけている。他の著書に『吉宗の星』『ええじゃないか』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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