アートの値段-現代アート市場における価格の象徴的意味 (単行本)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120056451

作品紹介・あらすじ

◆目次

 まえがき

序章  イントロダクション――アートの価格は単なる数字ではない――

1章 アート市場の構造――芸術はいかに商品化されるのか――

2章 意味の交換――支援と感謝の気持ちを交換する――

3章 後援者VS便乗者――ギャラリーとオークションはなぜ相容れないのか――

4章 価格の決定要因――統計分析からみるアートの諸要素と価格の関係性――

5章 値付けの技術――ディーラーは実際にどのように価格をつけるのか――

6章 価格の物語――価格はどのように正当化されるのか――

7章 価格の象徴的意味――価格に込められた意味を読み解く――

8章 結 論――価格が私たちに語りかけること――

付録A/インタビュー質問票  付録B/インタビューサンプルの解説
付録C/美術品価格の記録   付録D/美術品価格のマルチレベル分析

 参考文献  索引

感想・レビュー・書評

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  • アート市場における作品の価値、そして金額についてギャラリーととオークション市場の関係を含めて、インタビューを通して深掘りしていく興味深い一冊。

  • 《アート市場の核には迫りきれてない》
    目の付け所は面白いが、取材過程や研究はありきたりで考察もステレオタイプ。ただ、ギャラリーの取材を通して実情をレポートしてくれているのは良い。

  • 副題の「現代アート市場における価格の象徴的意味」ってテーマをインタビューと統計を組み合わせで明らかにしようとしている意欲的な研究です。おととしだったか…サザビーズで25億円で落札されたバンクシーの絵が落札されたあとすぐシュレッダーされたというニュースが衝撃を与えましたが、そういう派手なオークションでの価格決定とは一線を画すギャラリーとアーティストとコレクターの三角関係のお金物語です。アートの値段を決めているシステムにオークションとディーラーの二重構造があることさえ知りませんでした。新自由主義が突き進み、資本主義のこれからが不透明になっている今、需要と供給で決まる「交換」の経済ではなく、「贈与」という経済なのではないか?と思い、ついつい「贈与」というキーワードについた本を手にしています。はからずも、実は本書もその流れでに乗っているような気がしました。贈与経済的なコミュニティとかネットワークとか数字ではないヒューマンファクターが大きな役割を果たす経済。「アートの経済」はポスト資本主義?それにしてもモヤっとした世界…。読み終わってから、最近読んだ別冊太陽の「石田徹也: 聖者のような芸術家になりたい」が気になりました。評価されつつもバイト生活で画材を買いながら貧困のうちに早生したアーティスト。村上隆を厳しく断罪するアーティスト。日本を離れアメリカで創作活動をしたかったアーティスト…彼が求めたのはこの本で書かれるギャラリーとコレクターとのコミュニティに入ることだったのでしょうか?この本を読んだからではないのですが俄然、現代美術館でやっているホックニー展行きたくなりました。ずっと静かに絵を描き続けられる人生に触れたくなりました。

  • アート市場という特殊な交換の場における価格をめぐるゲームを詳述。芸術作品の価格が持つ「象徴的な意味」を重層的に解明する。

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著者プロフィール

オラーフ・ヴェルトハイス
アムステルダム大学社会学部教授。専門は経済社会学、芸術社会学、文化社会学。同学部では、文化社会学プログラムグループのディレクターを務める。研究テーマは、アート市場のグローバル化、市場と贈答品交換の相互関係、現代アートの評価と価格設定、アダルトコンテンツ市場の道徳的・社会技術的側面など。最近では、BRICs諸国におけるアート市場の出現と発展を横断的に比較して研究している。

「2023年 『アートの値段』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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