煌夜祭 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 837
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120057090

作品紹介・あらすじ

魔物の姫に会ったあの時、人生のすべてをかけて、彼らを救うと心に決めた――ここは生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。〈語り部〉たちが島々を巡り集めた物語を語り継ぐため、年に一度、冬至の晩に煌夜祭が開かれる。今年もまた人を喰らう恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語の幕が上がる。『レーエンデ国物語』で話題沸騰の著者の原点となるデビュー作に、外伝「遍歴(ピルグリム)」「夜半を過ぎて 煌夜祭前夜」を加えた決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 多崎礼さんの『レーエンデ国物語』にハマっています!

    3巻がなかなか図書館に入りません!
    逃さないように新着情報をチェックしていますが入る気配がないです…

    そろそろリクエストを出そうかなと思った矢先、新着リストに多崎礼の名が!
    キターーーーっ!と思ってチェックしたら本作の『煌夜祭』でしたw

    『煌夜祭』は著者のデビュー作で、ノベルズ版にて刊行され、その後文庫化、そして単行化されたみたいです
    読んだことないし、せっかくなので手に取ってみました!



    今年も煌夜祭が始まる

    語り部たちが十八諸島の世界を巡り、各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く
    冬至の夜、語り部たちは島主の館に集い、夜を通じて話をする
    それが煌夜祭、年に一度の語り部の祭である

    世界各地の出来事や先人達の貴重な智慧、その物語は金に等しい
    島主は貴重な話、面白い話、役立つ話をした語り部達に褒美を出す

    けれど…、
    煌夜祭の真の目的は他にある
    真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語がある

    さぁ、ここから語り部達が隠された真実の物語を話してくれるのだが、すべてを聞き終えたとき、あなたもきっと語りたくなるだろう

    新しい世界を夢見た魔物の王子の物語を!
    すべての魔物に存在理由を与えてくれた一人の女性の物語を!

    さぁ、今宵、あなたも語り部になろう!

    • mihiroさん
      一休さ〜ん♪私も何年か前に読みました〜✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
      なかなかややこしくてメモしながら読みましたが、雰囲気めっちゃ好...
      一休さ〜ん♪私も何年か前に読みました〜✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
      なかなかややこしくてメモしながら読みましたが、雰囲気めっちゃ好きだったなぁ♡
      冬至の夜にまた読み返した〜い♪←きっと忘れる笑
      2024/01/17
    • 1Q84O1さん
      kumaさん
      30分、10分じゃダメ!
      5時間と言わず一晩かけて語ってあげてください!
      kumaさん
      30分、10分じゃダメ!
      5時間と言わず一晩かけて語ってあげてください!
      2024/01/17
    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん
      そうそう、ちょっとややこしかったです…
      ページを戻っては確認してのくり返しが何度かw
      ただ、雰囲気は良かったですよね〜!
      mihiroさーん
      そうそう、ちょっとややこしかったです…
      ページを戻っては確認してのくり返しが何度かw
      ただ、雰囲気は良かったですよね〜!
      2024/01/17
  • レーエンデ国物語でも思ったけれど、作者の物語の入り方、語りの始め方がすごく好きだ。これから始まる物語の世界にワクワクする。そしてこの作品、語り手の話を聞くスタイルなので、その語り始めがいっぱい出てくる。最高だ。

    語り手の語る短い物語の間に、語り手同士の会話があるので、忙しくてもちょこちょこ読めそう(といいつつ面白くて一気に読んでしまった人)。
    短い物語それぞれが魅力的なのはもちろん、あとからあとから伏線回収されて繋がっていくのがたまらない。あぁー、あの時の。へぇー、まさかの!ってしんみりしたり驚かされたり。とにかく面白かった、そして無駄がない!

    人それぞれに物語があって、それを受け継いでいく者がいる。大切な人、大好きな人のことを知りたいと思う気持ちに「愛」を感じた。総じて「愛」の物語だった。
    だからこそ、この魔物の設定がせつないことせつないこと……。本編に追加された二篇、ここまで読んで完全版という作者の言葉通り、全部読めてよかった。

    多崎さんの作品、『本の姫は謳う』の方も読みたくなってきた。4月にレーエンデの新作もあるのに!
    にわかだけど、すっかりファンです!

  • 多崎さんのデビュー作品。
    恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語。

    こんなファンタジーは初めて!
    全体を通してもの悲しい雰囲気が漂っています。
    己の無力さに対する苦悩・後悔、人間の暗い部分について描きながらも決して暗くなく、希望と決意を感じてスラスラ読める。
    あっという間に世界観に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。

    “魔物”がいて、歴史や人の思いを受け継いでいく“語り部”という特別な存在がいる世界。
    語り部の「語り」で繋がっていく展開がとても新鮮でした。

    語られる1つ1つの物語に新たな世界が広がっていて、読めば読むほど強く引き込まれどっぷりと世界観にハマっていく。
    いろいろなことが繋がっていって大きな世界が見えたときは、何とも言えない気持ちになった。

    新しい世界を夢見た王子。
    魔物の存在理由を解き明かそうと生きた人。
    彼らの軌跡を追いながら、とてつもなく長い時代を一緒に駆け抜けたような気分です。
    静かで、悲しくて、強さと優しさを感じるストーリー。

    今までに読んできたファンタジー作品とは、ひと味違った雰囲気で、クセになるおもしろさでした。

  • 数年前に文庫本を読んでいて、最近書き下ろしを含んだ完全版が出版されました。
    とっても好きな作品なのでめちゃくちゃ嬉しい!

    魔物が出てくるファンタジー連作短編小説ですが、読みやすいし、短編同士の繋がりを考察するのがすごく楽しいです!
    魔法などのファンタジーな感じはそんなにないので、ファンタジー読んだことない人にもおすすめですし、冬時期にぴったりの小説なのでこの季節に是非!!

  • 『レーエンデ国物語』の多崎礼さんのデビュー作です。

    こちらの本は2006年に単行本が、2013年に書き下ろしの短編『遍歴』を収録した文庫本が刊行され、昨年新たに外伝『夜半を過ぎて 煌夜祭前夜』(2007年『C★N25』所収)が追加された決定版として単行本が刊行されました。

    文庫本の表紙もすごく好きでしたが、こちらもめちゃめちゃ素敵な装丁ですよね。

    冬至の夜に催される煌夜祭…〈語り部〉たちが十八の島々を巡り集め、夜通し語り継がれる物語。それは人を喰らう恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語だった…。

    いやぁ〜もうねぇ、すごく良かったです。良かったしおもしろかったんですが、一度読んだだけではあまりにも複雑すぎて誰が誰なのか理解しきれず、結局メモを取りながら2巡してしまいました。すごいです。2巡目の最後の最後まで、えっ、あの人があの人だったの⁈と驚かされました。

    つらくせつないお話なんですが、とても優しく美しく、愛おしい物語でした。

    あとがきに「願いかなわず、道半ばで倒れたとしても、絶望だけでは終わらない。その夢は希望となって後世の人々へ受け継がれ、長い長い年月を経て実を結ぶ。無駄なことなど何もない。すべてのことには意味がある。そんな物語を、これからも書き続けていく所存です」とあり、まさに『煌夜祭』も『レーエンデ国物語』も希望が受け継がれていく物語ですよね。ぜひ多崎さんの他のお話も読みたいと思います。

    ちなみに本の最後にはQRコードがあり、特設サイトで書き下ろし短編「ぼんくらな島主」を読むことができました。こちらも良かったです。

  • 繋がっていく物語、最後まで読むと「魔物の姫俺はあなたを救えただろうか?」と言うキャッチコピーのその答えが分かります。是非、読んでほしいです。

    気付いたら物語に惹き込まれていました。

    とにかく、切なくも優しい物語。
    再読すると違った視点から読み進められる作品だと思います、

  • 十八諸島では、年に一度、冬至の晩に、語り部たちが島々を巡り集めた物語を明かす日が訪れる。
    ある島の廃墟では、焚き火を囲み、仮面をつけた語り部が二人。
    夜を徹し、物語を紡いでいく。

    この諸島では、厄災や波乱がある時期に、島主の血縁に魔物が産まれるという。
    冬至の夜に人を食べ、日の光を忌み嫌う存在は、恐れられ、なぜ魔物になるのか?という謎は深まるばかり。

    語り部の二人が交互に話をしていくと、少しずつ十八島の小さな話から、壮大な話へと切り替わっていくのが面白い。
    この二人は一体誰なのか?
    十八島はどうなった?
    島が海流によって動く世界観や文化、政治など、この世界の仕組みが少しずつわかってくると、
    段々と深みが出てくるようだ。

  • 待ってました……!!!
    レーエンデ国物語から、この作者の文章の上で奏でられるワクワク感の虜になってしまいました。

    まとまった時間が取れず少し間を置いて読んでしまった部分があったのですが、1度読み終わってみるとこれは再度1日費やしてでも一気読みをしたい……!そう思えるほど伏線や情景描写が豊かな大人向けファンタジーでした。

    以前文庫版では出版されていたようですが、こちらではしっかり濃厚な内容の外伝も読めるので購入必至です!

  • 静かで綺麗な物語。悲しく辛い場面もたくさんありますが、何度読んでも読了後は穏やかな優しい気持ちになります。

  • 語り部と呼ばれる人たちが、冬至の日に語る物語。
    読み進めていくうちに、一つひとつのパーツがはまって、気がついたら、大きな物語の中に居ました。

    多崎先生のデビュー作。Xで毎年冬至の日に行われているイベントも覗いていますが、先生の作風の原点は、ここにあるのだと感じます。

    レーエンデは、ページ数が多くて、少し敷居が高い。そう感じておられるかたに、是非ともおすすめしたいです。

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著者プロフィール

2006年、『煌夜祭』で第2回C・NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「〈本の姫〉は謳う」、「血と霧」シリーズなど。

「2023年 『レーエンデ国物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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