承香殿の女御: 復原された源氏物語の世界 (中公新書 25)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121000255

感想・レビュー・書評

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  • 一条天皇の後宮にあって、定子と彰子の間を生き抜いた元子の生き様を伝える。資料が乏しい中、非常な執念で元子の人生を復元されています。想像妊娠とも聞いていた元子の妊娠騒動は流産でしょうとの優しいお言葉。一条帝崩御後の、源頼定との恋愛は凄まじい。彼女の人生を燃え立たせた強烈な意志に心打たれました。小説よりも数奇な物語ですね。ところで、角田先生、紫式部の本名が藤原香子というのは何か文献によるものですか?

  • 角田文衞って、女性の話ばかりだなぁ。尤も平安時代の女性についての文献はとても貴重だけど。
    藤原元子は、左大臣・藤原顕光の長女で一条天皇の女御、と結構なご身分。でも懐妊したが破水して出産に至らず、帝崩御後は下位の妻子持ちとの密通が発覚し、父に髪を切られ…と中々に濃い人生。
    何と言っても、愚昧なのに無駄に高官でかつ貪欲…とつくづく面倒な父に、流行病も乗り越えて長生きされちゃて。更に妹の延子共々、道長の閨閥政治にいいように振り回されて、なんとも気の毒。これがリアルな平安貴婦人か。
    半端に高い身分なのと、道長と同時代に居合わせて割を食ったせいで抜き足ならなくて、読んでて歯痒い〜。

    巻末の系図(帝室系図、藤原氏北家略系、藤原氏北家摂関家流系図、藤原兼家の子と孫、村上源氏系図、帝室・藤原北家関係系図、諸氏関係系図)と条坊図の充実度は半端じゃないです。

  • 一条天皇の後宮において陰の存在ともいうべきキサキ・藤原元子に光を当てた研究書です
    一度は後宮政策の敗者となりながら、逞しくしたたかに成長していった彼女の生涯とは?

    高校時代に天啓的な衝撃を与えられ、平安時代史にのめりこむきっかけとなった思い出の一冊

  • (平安資料。)

  • 一条帝の女御の一人、藤原元子の数奇な生涯を語る。定子皇后・彰子中宮の影にかくれて、話題にされにくい女御だが、彼女の人生はぜひ知っておいてほしい。

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著者プロフィール

1913年福島県生まれ。1937年京都帝国大学文学部史学科卒業。1939年~42年イタリア留学。1949~53年大阪市立大学助教授。1951年同学の士と共に古代学協会を設立。1953~67年大阪市立大学教授。1967~88(財)古代学協会運営の平安博物館教授兼館長。改組により1988年古代学研究所教授兼所長(現在)1990年(財)古代学協会理事長(現在)。(社)紫式部顕彰会会長(現在)。文学博士。著書『増補 古代学序説』(1991年 山川出版社)『王朝の残映』(1992年東京堂出版)ほか多数。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「1986年 『角田文衞著作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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