大久保一翁: 最後の幕臣 (中公新書 536)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121005366

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  • 大久保一翁の名はもはや一般に忘れられている。しかし彼は、幕末から近代日本への大変革の渦中にあって最も苦渋の任を全うした人物であった。勝海舟については余りに語られてきたが、一翁については余りに語られていない。彼自身、日記・書簡・記録類は全て焼き尽くした。本書は、江戸城明け渡しを、最後の若年寄として幕閣に留まってひとり処理し、その後、黙然と明治国家の歩みを直視しつづけた一政治家の敗北の生涯を描く。(1979年刊)
    ・序 章 敗戦処理の政治家
    ・第一章 順調な幕府官僚コース
    ・第二章 大獄前夜の京都へ
    ・第三章 禁裏付と京都町奉行
    ・第四章 要職への復活
    ・第五章 大久保の大政奉還論
    ・第六章 左遷、復活また左遷
    ・第七章 一翁の長州征戦収拾論
    ・第八章 平和路線の中心に立つ
    ・第九章 以て六尺の狐を託すべく・・・
    ・第十章 新政府への出仕
    ・第十一章 東京府知事時代
    ・第十二章 教部少輔から元老院議官
    ・第十三章 幕臣の一つの余生

    大久保一翁の事績を知ることができて嬉しい。参考文献が充実しているのも良い。難を言えば著者の価値判断に偏りがあることだろうか。目付から駿河町奉行への転出を左遷というのはどうなんだろうか。その他にも一翁を顕彰しようとするあまり、結果の方から論じているきらいがある。
    初版は30年以上前のものであり、4版も1990年刊と手に入りにくいかもしれないが一読の価値はある。

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