満州脱出: 満州中央銀行幹部の体験 (中公新書 769)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007698

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  • 前半は、タイトルの通り満州からの脱出記、後半は満州中央銀行新卒1期生としての採用から終戦までの中銀での勤務が記されている。

    終戦時、満州中央銀行の発行課長だった著者は、新京(長春)から命からがら脱出した。著者が、上海から帰国の船に乗れたのは1949年の春。終戦からそれまでの間に、ソ連軍の進駐、八路軍による長春包囲からの脱出、乞食行、瀋陽での共産党からの再逃亡、天津からの密航、舟山での海賊集団からの逃亡、上海での元上司の帰国便斡旋と九死に一生得るドラマチックな展開が続く。途中、戦時下の混乱とはいえ、驚くほど簡単に人が亡くなっていく。著者は「偶然に」昔からの知り合いに助けられる場面が多く、大陸では特にそうした幸運を手繰り寄せる人との繋がりが生死を分けると改めて感じた。

  • 満州中央銀行に新卒一期生として入行し、終戦を新京(長春)で迎えた筆者の体験記。ソ連軍、八路軍(共産党軍)、国民党軍と、次々とやってくる軍隊への銀行業務の清算・引継ぎを終え、八路軍の封鎖により飢餓状態にあった新京を脱出し、まさに命からがらの物凄い体験を経て帰国するまでの話。満州中央銀行の業務や、若手行員時代の満州での生活も記述されている。彼が晩年役員を務めた会社と、私の仕事は現在大きな繋がりがあることは感慨深い。

  • 人間、責任感だなあ、と感じた。満州銀行は敗戦翌日にもちゃんと変わらず営業していた、と言うのに涙が出てしまった。ソ連・国民党・中共と、混乱期にあった中での銀行の引き継ぎと、飢餓地獄チャーズからの生還。手記というのは生々しい。

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