医学史と数学史の対話: 試練の中の科学と医学 (中公新書 1102)
- 中央公論新社 (1992年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121011022
作品紹介・あらすじ
誕生時点から現実の課題にさらされ続けた長い歴史を有する医学。その医学と医学史こそ、これからの学問のモデルだと認識した気鋭の数学史家が、基礎医学の広汎な分野で活躍し、医学史分野でも画期的な業績を上げている碩学に、医学の史的展開について問いかける。対極的な専門分野にもかかわらず、脳死等の現実的課題への対応には歴史的反省の上に立つ理性的観点が必要だ、という共通の足場を確認し合い、知的対話の有効性を実証。
感想・レビュー・書評
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医学史家の川喜田愛郎と、数学史家の佐々木力の対談本です。
数学と医学という、対極的な学問の歴史を専門とする二人ですが、医学をなによりも「技術」と考える川喜田と、「ラディカル・クーニアン」を標榜する佐々木は、思いのほか近い立ち位置にいることが、対談を通して明らかになります。このことは、いわゆるポスト・モダンの陣営による科学批判に対する反論においても、両者が歩調をあわせているにも明瞭に理解できます。
それぞれの専門分野の研究史について、両者が簡潔な報告をおこなっているところもありますが、わたくし自身その方面にかんする知識がなく、残念なことに流し読みですませるほかありませんでしたが、ある意味では古典的な学問的誠実さと、「学問のための学問」への批判のどちらも手放そうとしない、ある種の教養主義的なスタンスが強く印象にのこりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
105円購入2012-04-26
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(1992.12.05読了)(1992.11.23購入)
試錬の中の科学と医学
(「BOOK」データベースより)amazon
誕生時点から現実の課題にさらされ続けた長い歴史を有する医学。その医学と医学史こそ、これからの学問のモデルだと認識した気鋭の数学史家が、基礎医学の広汎な分野で活躍し、医学史分野でも画期的な業績を上げている碩学に、医学の史的展開について問いかける。対極的な専門分野にもかかわらず、脳死等の現実的課題への対応には歴史的反省の上に立つ理性的観点が必要だ、という共通の足場を確認し合い、知的対話の有効性を実証。