キーボード革命: 情報電子化時代への基本技術 (中公新書 1340)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121013408

作品紹介・あらすじ

ワープロとパソコンの使用に際してのキーボードの役割は重要である。しかしキーボードは「やむをえず打つもの」であって、「打って書く」ということ自体に大きな意義があると考えている人は意外に少ない。本書は、キーボードによる入力を、文字情報を電子化するにあたっての有効な手段として捉え、その技術が日本語文化に与えつつある波及効果を検討する。なお、キーボードを見ずになめらかに打つための効果的な練習法を呈示する。

感想・レビュー・書評

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  • 1996年に執筆されたが、音声入力の普及や、音声やビデオテープによるコミュニケーションが増加し、情報データ手段としての文字情報の比重が軽くなることを予測している。

    25年先を正確に予測していることに非常に驚く

    7
    器具の進歩が文化を生む

    114
    キーを打つという行為と文章を考えるという行為の2つを同時に行うのですから、一方を意識しないで打てるレベルまで熟達して初めて、自由な思考ができます。

    157 話し言葉と書き言葉の差の消滅

    近いうちにもっとすごいことが起こります。音声入力が導入され、パソコンに向かって物を言うと、その通りパソコン画面に出てくるので、あとはキーを打って少し手直しするだけになります。
    あるいは、講演や座談会のテープ録音をパソコンに繋ぐと自動的に文章になってしまいます
    テープに吹き込まれる言葉は当然、話し言葉が基本で、少なくとも話し言葉に近くなります。それを記録したものも当然そうです。従来の書き言葉で書かれる文章は少なくならざるを得ません。

    209
    文字情報の全体の量が膨大になる割には印刷体の本は増加しませんから、本の比重が軽くなることは間違いありませんが、かといって、消滅するのではありません。それどころか絶対量はむしろ増えるのです。(←現在の電子書籍の普及を予見している)

    211
    映像や音響を収録編集して送る技術ができた時、情報伝達の手段としてその部分が大きく広がることは間違いありません。文字情報がなくなることはないとしても、相対的に比重が軽くなるのは確実でしょう

  • 私は、この本を読んで、そのとおりに練習して、タッチタイプを身につけました。実際にやってみると驚くほど短時間でマスターできました。今では画面だけを見て打てるので、眼精疲労になりにくく非常に助かっています。それまでは一本指打ちでした。今や、仕事、プライベートとキーボードに触れない日はありません。すべての人が読むべき本だと思います。情報化社会はまずはキーボードのマスターからです。
    この本の練習手順は優れています。どの教科書より実際的。超おすすめ!

  • 親指シフトの紹介をしているページで練習の参考になると紹介されていたので練習法の部分を中心に読んでみましたが今一。とにかく実際の文章を打ってみるのが一番かな。

  • タイピングについてこんなに真面目に書いた本は珍しいと思う.タイピングが知らず知らずのうちに速くなってしまった人でも,タイピングの意義を確かめたり,自分のタイピング人生を振り返ることができていいと思う.

  • 困難に対して、どう考えるのか
    ということについて、目を開かされる本である。

    「パソコンをどう使うか」ということから、
    キーボードが、最大のネックであり、
    キーボードが打てないと悩みながら、
    キーボードは習うものだと考えない方が多い。

    「日本語は、論理的な表現に適さない言語である」
    というようなことをいっているが、
    しかし、手書きでかかれているものは、
    きちんと多人数で検討するということが
    なされないことが大きな問題であるとしている。

    打鍵速度を2ストローク/秒として、
    連続でうつなら、1日8時間、1年250日、
    40年間打ち続けるとすると。
    1時間に7200ストローク、40年間では、
    5億7600万ストロークになる。
    日本語の場合、ローマ字式にうっていくと
    約3億字が書ける。570MB。
    一生かかってい、やっと1ギガの文字が書ければ問題がない。

    キーは、タッチタイプでうつものである。
    「あいうえお」が基本で、単文節変換していく。
    LALILULELO が ぁぃぅぇぉ とはしらなんだ。
    XAXIXUXEXO が ぁぃぅぇぉ とはしらなんだ。

    ピアニストは、
    (1)「考えをひく」 頭の中のメロディやリズムを楽器に移す。
    (2)「聴いてひく」 聴いたことのない曲を、耳で聞きながら弾く
    (3)初見      聴いたことない曲を、譜面だけみて弾く。

    「である」体から「です」体へ変わっていく。
    書く言葉は、話し言葉に近づいていく。

    パソコンの普及によって、
    著作権という絶対的な価値は、低下せざるをえません。
    剽窃を防止できない、同じようなものが次々に生まれる。

  • 時代を反映していて、今に通じる部分は少ないかな。ブックオフで百円也。音声入力、日本語の話し言葉化など示唆深い。

    気になった記述。
    ・キーボードは、押すのではなく、打つから楽しい。
    ・キーボードの採用が新しい文学を生むかもしれない。
    ・タイプライターのおかげで、アルファベット言語は世界で支配的になった。
    ・タイピング(語学も)は教育ではなく、トレーニング。

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著者プロフィール

帝京短期大学 臨床工学専攻科 教授

「2018年 『オールカラー最新2版 尾﨑塾 血液ガス・酸塩基平衡教室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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