- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121014832
作品紹介・あらすじ
政治家はどのような方法で情報を収集・伝達するのか?通信・交通手段の技術革新が進む明治期には権力掌握の方途として、情報の価値が高まっていった。初代首相にして帝国憲法の制定者、日清戦争を勝利に導いた伊藤博文は、独自の情報システムを構築して政局運営に利用した。伊藤の幕僚団にあって敵対勢力の情報や公安情報を意のままにしつつ、メディア操縦に従事した「影の宰相」伊東巳代治は伊藤の足下を脅かす存在となる。
感想・レビュー・書評
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複雑な明治期の政治史を、情報という切り口で描写。伊藤博文と伊東巳代治をはじめ、明治期の政治家たちの人間関係の機微を、膨大な手紙の分析から描き出しており、興味深い。政治は感情で動くことを実証している。
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疲れた。。流し読み。
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斬新な切り口で伊藤を捌いています。伊藤がどのように情報を収集し分析し、政治家としての情勢判断に役立てたのか、という問題意識で貫かれた質実な書です。ただ、基本的には国内政治における権力闘争の分析となっており、読んでいて眠気を誘います。国際政治における伊藤の情勢判断を扱った書物ではありません。
余談ですが、私は小学生のころ、伊東という先生に書道を習っていました。伊藤ではなく伊東なのか、と新鮮な違いを認識したことをおぼえています。本書でも、伊藤と伊東のちがいを明解に示しています。
伊東巳代治という人物は、戦前の書物にはいろいろと逸話が載っていたりしますが、秀才ではあったもののつきあうのがむずかしいタイプの男でした。極論すれば、首相になるにふさわしいのが伊藤で、伊東は宰相の器ではなかったということです。 -
明治期の政治家の情報利用についての本…かな? あまり自信がいなのは、読んでいていろいろあったからです。
まず、情報手段の定義から始まり、明治初期から日露辺りにかけて伊藤博文を中心に、政治上での情報の遣り取りが書かれていました。
取り敢えず、脳内ぐちゃぐちゃになります。
まず、人間関係が複雑で、その上で情報戦線が繰り広げられているわけなので、頭の中で関係図を描きながら読まないとちょっと苦しいです。まあ、メモを取る程ではないですが。
また、度ごとに説明は付加されていますが、伝達手段の特性、或いは著者によるその定義をよく理解していないと、まあ、難しいですね。
読みにくいわけできなく、むしろ読み易いくらいですが、人によっては時間がかかるとは思います。
とはいえ、一般向けなので基礎程度の内容ではあったと思います。専門としている方には、比較的簡単です。
取り敢えず、個人的には終章ひどいです(笑)
伊東との関係については、もう突っ込むところしかありません。 -
伊藤を中心に情報面から見た明治時代。専攻にも被っているので、楽しく勉強できて一石二鳥気分。
明治零年代の内容はメインじゃないからか、少々手落ちの印象も。
史実部分を裏どりなしに、客観的考察の少ない伝記から引っ張ってくるのはねえ~。
とりあえず、岩倉使節団の目的は条約改正じゃないぞ!
でも、伊藤博文伝は読みたい。
ただ、その後の十年代後半~はすごかった。
明治も二十年代に入ってくると、格段に政治のスピードが変わってくるな…。幕末やら明治零年代とは全然違うなあ。電信のおかげ?
まあまだ井上の拗ね帰郷が許される環境みたいだけど。
巳代治の離反理由の推測が一番面白かった。これは何の本ですか? 昼ドラ?
三島由紀夫も言うとおり、政治って一番感情があらわにぶつかりあうものだなあと思った。
どうでもいいが木戸さんのゴッドマザーの図は笑える。 -
伊藤というか伊東というか……印象に残ったのは、とにかく伊藤博文と伊東巳代治の確執でした。どちらかをお好きな方にはお勧めします。
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伊東やりすぎわろた
伊藤が苦労人で結構腹黒い