太平記: 鎮魂と救済の史書 (中公新書 1608)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016089

作品紹介・あらすじ

足利尊氏や新田義貞、楠木正成ら名だたる武将が活躍する『太平記』。しかしこの名高い戦記物がめざしたのは、英雄譚と言うよりも、南北朝動乱を生きた、名もなき人人への鎮魂と救済ではなかったか。怨霊の跋扈する、不条理にも見える物語世界が内包する『太平記』の精神とは。また、登場人物たちの体現する儒教的道義論や因果応報論が担ったものとは何なのか。単なる戦記物の枠を超えた『太平記』の世界はの招待。

感想・レビュー・書評

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  • 太平記といえば、北条仲時、番場蓮華寺。

  • 20180321

  • 通説では鎌倉末期以降の戦記。なのになぜタイトルが「太平記」?本書はその疑問に対して、室町幕府目線で見た「鎮魂書」というキーワードで説明してくれている。たしかに後醍醐天皇をはじめ、登場人物の「人としての陰と陽」を宮方目線で読んでしまうと、その本質が見えてこない。まずこれは歴史書ではないという前提で読むべし。

  • 『太平記』は室町幕府を正当化する正史に準ずる歴史書という指摘が印象に残りました。

  • 亀岡などを舞台とした作品です。

  • [ 内容 ]
    足利尊氏や新田義貞、楠木正成ら名だたる武将が活躍する『太平記』。
    しかしこの名高い戦記物がめざしたのは、英雄譚と言うよりも、南北朝動乱を生きた、名もなき人人への鎮魂と救済ではなかったか。
    怨霊の跋扈する、不条理にも見える物語世界が内包する『太平記』の精神とは。
    また、登場人物たちの体現する儒教的道義論や因果応報論が担ったものとは何なのか。
    単なる戦記物の枠を超えた『太平記』の世界はの招待。

    [ 目次 ]
    第1章 後醍醐天皇の物語としての『太平記』(三部構成のあらまし 物語を貫く主人公とは ほか)
    第2章 登場人物から読む『太平記』(楠木正成 新田義貞 ほか)
    第3章 『太平記』の思想(第一部の思想 第二部の思想 ほか)
    第4章 『太平記』の作者と作品論(『難太平記』にみる『太平記』の作成過程 恵鎮の履歴(官僧から遁世僧へ) ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 私がお世話になっている先生なので紹介するのは非常に気が引けますが、「太平記の主人公は最初から最後まで後醍醐天皇だった」など意外な新説、「史書は敗者の救済のための書物である」という松尾史書観に基づく分析など、なかなか面白い本です。
    ただ、薄いくせに高い。

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著者プロフィール

松尾 剛次:1954年長崎県生まれ。日本中世史、宗教社会学専攻。山形大学名誉教授。東京大学大学院博士課程を経て、山形大学人文学部教授、東京大学特任教授(2004年度)、日本仏教綜合研究学会会長を歴任。1994年に東京大学文学博士号を取得。『勧進と破戒の中世史』『中世律宗と死の文化』『新版 鎌倉新仏教の成立』(いずれも吉川弘文館)、『仏教入門』(岩波ジュニア新書)、『破戒と男色の仏教史』『葬式仏教の誕生』 『知られざる親鸞』(いずれも平凡社新書)など、著書・論文多数。

「2022年 『日本仏教史入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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