- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121016089
作品紹介・あらすじ
足利尊氏や新田義貞、楠木正成ら名だたる武将が活躍する『太平記』。しかしこの名高い戦記物がめざしたのは、英雄譚と言うよりも、南北朝動乱を生きた、名もなき人人への鎮魂と救済ではなかったか。怨霊の跋扈する、不条理にも見える物語世界が内包する『太平記』の精神とは。また、登場人物たちの体現する儒教的道義論や因果応報論が担ったものとは何なのか。単なる戦記物の枠を超えた『太平記』の世界はの招待。
感想・レビュー・書評
-
太平記といえば、北条仲時、番場蓮華寺。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20180321
-
通説では鎌倉末期以降の戦記。なのになぜタイトルが「太平記」?本書はその疑問に対して、室町幕府目線で見た「鎮魂書」というキーワードで説明してくれている。たしかに後醍醐天皇をはじめ、登場人物の「人としての陰と陽」を宮方目線で読んでしまうと、その本質が見えてこない。まずこれは歴史書ではないという前提で読むべし。
-
『太平記』は室町幕府を正当化する正史に準ずる歴史書という指摘が印象に残りました。
-
亀岡などを舞台とした作品です。
-
私がお世話になっている先生なので紹介するのは非常に気が引けますが、「太平記の主人公は最初から最後まで後醍醐天皇だった」など意外な新説、「史書は敗者の救済のための書物である」という松尾史書観に基づく分析など、なかなか面白い本です。
ただ、薄いくせに高い。