火山災害: 人と火山の共存をめざして (中公新書 1683)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121016836

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  • 〇もくじ
    第1章:火山の国に住む
    第2章:火山災害を知る
    第3章:島原大変、肥後迷惑―火山災害と復興
    第4章:雲仙普賢岳の平成噴火
    第5章:近年の火山災害から学ぶ
    第6章:火山と共存するために

    我々は世界で最も火山の集中する日本列島に住んでいる。そして日本人と火山災害は今後も共存して生きてゆかねばならない。そのためには過去の火山災害から学ぶことで、減災することができる。著者は建設省官僚として土石流災害など自然災害の防災分野で長く活躍されてきた。
    特に著者が関わった有珠山噴火と、雲仙噴火時の事例を参考にして火山災害にいかに対応していくかを述べている。

    火山災害を減災するために、著者はまず①火山情報を知ることから始める必要があると述べている。火山災害は自治体史などの文献にも載っているし、地域の古文書・古記録類にも記録されていることがあるので、こういった情報の共有化が望まれるとしている。
    次に、火山災害への心構えとして、防災のソフト面とハード面での対応が必要としている。ハード面は例えば火山噴火後の土石流災害の被害を減らすための砂防ダムなどの整備、流路の拡張などがある。ソフト面では個々人が例えばハザードマップで避難場所の確認などを予め想定しておくことなどが重要である。

    著者も述べているように、有珠山などの例外を除いて噴火周期は全く不明である。いつどこで起こるか分からない火山噴火、またそれに付随して起こる火山災害の被害を減らすために火山噴火の事例について勉強することは大変重要であると言える。

著者プロフィール

池谷 浩
政策研究大学院大学特任教授

「2014年 『土砂災害から命を守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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