近くて遠い中国語: 日本人のカンちがい (中公新書 1880)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121018809

作品紹介・あらすじ

中国旅行では、たとえ会話はできなくても筆談すればなんとか通じると、多くの日本人は考える。しかし、現実はそんなに甘くない。日本人が習ってきた漢文と中国語とはまったく別の言葉なのだ。たとえば「小面包」という単語は、漢文の知識では理解不能である。中国語と漢文と日本語との間によこたわる、漢字の違い、単語の違い、用法の違い、文法の違いをやさしく解説し、知っているようで知らないリアルな中国語を紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 漢文の知識では、中国語は理解できない。中国語と漢文と日本語との間によこたわる、漢字の違い、単語の違い、用法の違い、文法の違いをやさしく解説し、知っているようで知らないリアルな中国語を紹介。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40068130

  •  中国旅行では筆談すればなんとかなると日本人は考える。しかしそんな甘くない。日本人の習ってきた漢文と中国語とは全く別の言葉なのだ。
     というのが著者の主張。それより日本人はもう漢文をほとんどできなくなっていると思うけれど。

    P64:科挙の合格者たち、高級官僚の共通語としてできあがったのが「官話」=「お役人様の言葉」。これをマンダリンmandarinというのうになったのは、マレー語で官吏を表すことばがポルトガル語で使われたのが、英語に入ったものという。(???)満洲族の旦那様=満大人が語源は俗説。
    P116:甲骨文字、金文は、書きにくくてもそこに書かれなければならないものであった。そのためできるだけ短く書こうとして、文書と音声言語との間に大きな隔たりを生じた。
    P120:甲骨文や金文も、返り点や送り仮名をつければ日本語で訓読できる。→だから白川静もできた。
    P124:漢字が表意文字であったから、日本や韓国で自分たちの言語を表記することができ、漢字文化圏ができた。音読みと訓読みの併用。(韓国、ベトナムでも)
    P126:漢字文化圏はアヘン戦争の敗北(1842年)頃から終わりはじめた。
    P206:現代中国語:「,」と「、」は違う。「、」は日本語の「・」のように事物を併記するときにつかう。「頓号」と呼ぶ。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 大学の中国語/第2章 中国語はどのような言語か/第3章 簡体字と繁体字/第4章 中国人と筆談は可能か/第5章 中国語の発音について/第6章 中国語は「見たらわかる」か?-『人民日報』を読んでみる

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB00164941

  • 国旅行では、たとえ会話はできなくても筆談すればなんとか通じると、多くの日本人は考える。しかし、現実はそんなに甘くない。日本人が習ってきた漢文と中国語とはまったく別の言葉なのだ。
    中国語と漢文と日本語との間によこたわる、漢字の違い、単語の違い、用法の違い、文法の違いをやさしく解説し、知っているようで知らないリアルな中国語を紹介。

  • 著者が大学の先生だけあって、当たり前ですが、大学での語学授業に合間に話される
    中国・中国語ネタが満載です。どれも、やはり、アカデミズムっぽく、中国語の成り立ち、日本語との違いなどを、わかり易く説明してくれています。

    著者と中国語との距離感がわかって、非常に面白いと思います。
    その距離感は、やはり、長い間、中国語との格闘の末に導き出されたモノで
    非常に説得力があります。

    これから、中国語を勉強する人や、今、現在勉強している人に対して、
    「あなたが勉強しているモノは、こういうモノなんだよ」と、
    教えてくれます。

    この本を読んでも、中国語の能力は上がりませんが、どのように中国語と
    付き合っていけばいいか?のヒントには確実になります。

  • どこかで読んだり調べたりしたことがある内容ばかりだった。中国語勉強の初期に読めば面白かったかも。

  • 昔の大学がどういうものであったか。

  • 話が、あちらこちらに飛びますが、そういう雑談ネタが、面白かったです。

  • ・3/26 「とらえどころのない中国人のとらえかた」と一緒に衝動買いしてしまった本.やっぱり中国語にまつわる本はついつい手が出てしまう.中国語という言語そのものの事情だけでなく漢字についての解説や発音など、中国語という言語そのものについて述べられているので大変勉強になる.やっぱりやればやるほど中国語の勉強は面白くなるものなのかもしれないな.勉強はじめはハードルが低いが習得までの先が長いというのがちょっと気にかかる.がんばろうっと.
    ・4/1 読了.最後は中国語文の読解だったからいまいちだったけど、それなりに勉強になったかも.

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著者プロフィール

京都大学名誉教授、公益財団法人日本漢字能力検定協会漢字文化研究所所長

「2017年 『角川新字源 改訂新版 特装版 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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