- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121018830
作品紹介・あらすじ
みずから腹を割き、遺書で相手に切腹を迫る「さし腹」。仇敵の死刑執行人を願い出る「太刀取」。女たちの討入り「うわなり打」。男色の愛と絆の証「衆道敵討」…。著者は豊富な史料に基づいて、忘れられた多彩な復讐の習俗を照らし出す。近世の人々はどのように怨みを晴らし、幕府は復讐の情をいかに管理し手なずけようとしたか。うつろう武士道、演劇化する「かたき討ち」。日本の復讐の歴史がよみがえる。
感想・レビュー・書評
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差し腹など知らないことを知れたのは大きい
吉宗が暴れん坊将軍なだけじゃないことも知れた
中国から敵討ちに関することを聞いているのは
興味深く、今の中国とは違い、随分と理論的で
進んでいる考えを持っていたのも興味深い
著者の文章がたまに面白い
「ゴング。~」のところは噴いた -
武士の死生観がわかって勉強になった。武道家必読の書。
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かたき討ち(仇討)というと、「お覚悟!」と言ってハチマキ締めた女の人が短刀持って相手をブスリ。そんな時代劇のワンシーンを思い浮かべる方も多いかと思うが、同じかたき討ちにも色々な種類があるものだなとこの本を読んでわかった。
特にかたき討ちが盛んだった江戸時代初期を主に紹介しているが、なんかもう「さし腹」という仇討方法には切腹切腹また切腹で、読んでいるこっちもお腹が痛い。
いつの世も大切な人を無くしてしまった感情は同じなのである。しかし、討った肉親が今度は自分をかたき討ち、そしてさらに自分の肉親が相手を討つ、というように復讐の連鎖が始まってしまうのもまた「かたき討ち」。
大変興味深かった。 -
日本の古くからのかたき討ちについて近世を中心の論考。
毎回、氏家氏の語り口が面白く、読みやすい。 -
日本の古くからの文化として語られる敵討ち。それに関して、本当に細かい事例から書かれている一冊。
時代劇などで知っている敵討ちと本来あったものの違いなど、細かい知的好奇心が微妙にくすぐられる。ここまで日のあたらない分野をよく研究されたと感服する一冊。