カラー版 小惑星探査機はやぶさ ―「玉手箱」は開かれた (中公新書)
- 中央公論新社 (2010年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121020895
作品紹介・あらすじ
地球の引力圏を離れて宇宙を航行し、他の天体に着陸してサンプルを採取し、地球に帰ってくる-人類初の偉業を成し遂げた「はやぶさ」は、どんな発想で生まれたのか。そして打ち上げから、イトカワへの着陸、空前絶後の救出、満身創痍の帰還、サンプル確認まで、「生きているのが不思議」とまで言われたミッションはどのように行われたのか。誕生から帰還まで、プロジェクトを先導した著者が「はやぶさ」への思いを語る。
感想・レビュー・書評
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2017.6.4ブックオフ富士見店 108円
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何故か買ったまま読まずに本棚の奥の方に行っていたので、今更ですが引っ張り出してきて。
もうはやぶさ2も帰ってきた今となってみると、はやぶさが工学実験衛星として技術の確立を目的に、はやぶさ2ははやぶさで確立した技術をベースに品質や性能をブラッシュアップした実用機として、全く性質の違うものだったのが良く判ります。
それにしても、宇宙を舞台にしていても難敵はアメリカとの競争だったり年度末だったり、一般人とあまり変わらない点もあったのが面白いです。 -
何冊目のはやぶさ本かわからなくなってきたが、それでも初めて知った新事実があった。そしてカラー写真とパラパラ軌道図が良い
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悪戦苦闘、よく帰還させたものだ
トラブルに次ぐトラブルに通信途絶で満身創痍
1ビット通信にエンジンの冗長性
10 日本の惑星探査はアメリカよりざっと四半世紀遅れていた@1980年代後半
43 日本の通信技術はNASAに比べて50年ほど立ち遅れている
※手鏡ほどの大きさのアンテナで同程度の性能実現
86 リアクションホイールは三基とも同じ会社の米国製。分解不可という条件で輸入されたため、技術的な詳細が分からない -
資料番号:011184256
請求記号:538.9/カ -
請求記号・538.9/Ka
資料ID・310007622 -
配置場所:摂枚新書
請求記号:538.9||K
資料ID:95120072 -
また泣いてしまった…。
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いまさら、と言われるかもしれないが小惑星探査機「はやぶさ」の誕生から帰還までを描いたもの。
同じような本は何冊か読んでいるが、プロジェクトマネージャであった川口教授が著者だったので、思わず手に取った。
偶然だが、この本を読み終わった翌日、「”はやぶさ2”製造開始」という記事が新聞に掲載されていた。
全ページカラーなので、新書にしては定価がお高め。
面白いのは奇数ページ左下欄外に地球、火星、イトカワ、はやぶさの軌道の簡略図がついており、打上げから帰還までの軌道がパラパラマンガのように見る事ができる点。
これまでに読んだ「はやぶさ」本はカプセルの帰還までだったが、この本は、それらより後から出版されているので、カプセル内にイトカワの微粒子が発見された部分についても書かれている。
当事者だから敢えて、そのようにしているのか、全体的に事実を淡々と述べている印象だ。
が、さすがに「はやぶさ」の最後とイトカワの微粒子発見の部分では、行間から感情が滲み出ているように思える。
最後の章末に書かれた一首が多くを物語っている。
「わくせいの いにしえかたる たまてばこ ながきかんなん いまぞかなえり」
「はやぶさ2」のプロジェクト(2014年に打ち上げ予定)が順調に進む事を願う。