科学の横道: サイエンス・マインドを探る12の対話 (中公新書 2104)
- 中央公論新社 (2011年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021045
作品紹介・あらすじ
街中にこんなに科学技術があふれかえっているのに、私たちは科学に対してある距離感を感じている。それはなぜか?本書は、芸術、文学から介護、はたまた政治など異分野の第一人者たちが、科学とどう接しているか、科学についてどう考えているかを探り出す試みである。脱線、寄り道も無駄じゃない。生活現場の実感と科学技術の普遍とを行き来する一二の対話のなかに、今まで気づかなかったものが見えてくる。
感想・レビュー・書評
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882円購入2011-06-24
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新書文庫
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科学と他分野の接点を探すための12名との対談。
一番印象に残ったのは、介護に関わる三好春樹氏の「科学的に正しいとされたものよりも「常識」こそを大事にしなければならない」という話し。
現場では科学的な理由とか因果関係なんて考えない」という言葉が爽快。 -
芸術・言葉・社会と科学のかかわりを12名の方々との対談で模索する試みたが、大成功だと思う.科学の側の著者が、ここまで考えていることは非常に素晴らしい.西洋に真似るのではなく、日本独自の形で科学を発展させていく方法があるのではないかと思っている.介護に携わっている三好さんの話しに感銘する所が大だ.
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研究者が横道に「ちょっとそれて」そのときに触れた内容がすばらしいインスピレーションを生むのではないか,それを著者自ら,専門外のスペシャリストとの対談を行いながら実践していく.わき目をふることの重要性は常々感じており,同感である.
幅広い対談相手の語る内容も面白い. -
対話者:
茂木健一郎
浦沢直樹
児玉幸子
吉松隆
堀江敏幸
牛場潤一
黒田龍之助
元村有希子
小川眞士
三好春樹
嘉田由紀子
東浩紀 -
日本の文化には科学が根付いてないと冒頭で書かれていたけれど、そもそも科学を文化の中に組み込む必要があるのだろうか?
文系、理系と真っ二つに分ける日本社会においては、科学嫌いで文系に進んだ人も多いだろうから、わざわざ文化としてみなが科学を楽しむようなことはしなくていいのではないか。科学なんて知らなくても生きていける、もっと他に面白いことがあるという考えの人もいる。そのような考えも当然アリだと思う。
科学技術が社会のなかで置かれている文脈を浮かび上がらせるというスタンスは面白い。特に工学は世の中に必要とされるものを作らなければならず、文脈から離れて好き勝手に研究・開発をしていては、ただの自己満足になってしまう。自分もその道に進む可能性があるから肝に命じておかなければ。 -
黒田龍之助の部分に惹かれて借りてみたが、別に読むほどのような内容でも無かった。