- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024329
作品紹介・あらすじ
ハラスメント、過労、育児、介護、人間関係…現代はストレスに満ちている。誰もが受けるその正体は何か。脳や体は実際にどう反応し、何を引き起こすか。本書は、25年にわたり自衛隊精神科医官を務めた著者が、研究の歴史からうつ病とストレス障害の違いまでわかりやすく解説。自衛官をはじめとする多くの診療経験にもとづき、対策を具体的にアドバイスする。心に悩みを抱える人たちにおくる、ストレス"攻略法"の決定版。
感想・レビュー・書評
-
借りた本
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハラスメント、過労、育児、介護、人間関係……現代はストレスに満ちている。誰もが受けるその正体は何か。脳や体は実際にどう反応し、何を引き起こすか。本書は、25年にわたり自衛隊精神科医官を務めた著者が、研究の歴史からうつ病とストレス障害の違いまでわかりやすく解説。自衛官をはじめとする多くの診療経験にもとづき、対策を具体的にアドバイスする。心に悩みを抱える人たちにおくる、ストレス〝攻略法〟の決定版。
-
2023年9-10月期展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00531168 -
貸出状況はこちらから確認してください↓
https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00278085 -
人は誰しもストレスを抱えている。ストレスは生きていくために必要な防衛機能であり、適度なストレスであれば、行動意欲や活動の活性化に繋がる。ストレスを引き起こす要因をストレッサーと呼ぶが、生活する上では常に社会に家庭に職場にこの要因に囲まれながら生きていると言える。よって誰もがストレスに立ち向かっているのだが、暑がりだったり、寒がりだったりするように、その立ち向かう強さには強弱がある。極度のストレスに晒され耐えられる限界点を超えると、体のあちこちに不調を来す。その場所も人によって異なるのは、ストレスが体の最も弱い部分をターゲットにするからだそう。胃腸に不安を抱えた人はお腹が痛くなったり、皮膚が敏感な人には麻疹がでたりする。この様な状態が長期にわたるとうつ病やストレス障害という状態になる。
本書は自衛隊の海外派遣に同行した精神科医がストレスの原因や対処法まで、ベトナム戦争のPTSDや日常的に見掛けられるような事例を用いてわかりやすく解説している。
前述のストレス障害もうつ病も一括りにされることが多いが、前者は会社の上司からの叱責や家族の死、転勤や人事異動などの外的なストレス要因(ローリスクストレッサー)の積み重ね(ボディーブロー)=外的な要因であるのに対して、後者はそれらの原因を内なるものに求めてしまう傾向と示す。例えば上司に怒られた際に自分の仕事のやり方に原因があるとか、家族との対話においても上手くいかない理由を自分に求めてしまう結果と説明する。確かに結果的には似た様な症状でも、原因が異なるから解決方法も違う。正しく原因かを見極めた適切な対処が必要だ。
いずれにしてもその様な状態になる前に手を打てるのが良いのであって、人にはその防御力も備わっている。
本書後半はその様な防御方法と対処法中心に説明していく。人は仕事もするし学生なら勉強もする。皆同じことをしていても外部環境は異なるから一概には言えないが、前述の鬱が内的要因であるように受ける自分側で一定の回避策が取れる。一つはモチベーション。苦しいことも辛いことも自分がああしたいこうなりたいと強く思う事で一定のテンション(緊張状態)を維持できる。これがプツリと切れる前に、遊びや休息、別の行動に切り替えるなどする事でテンションに緩急をつけて維持できる。好きなことを仕事にする、という人がいるが、好きなことほど仕事にしない方が良いかもしれない。何故ならそれを仕事にしてしまえば、人生の多くの時間を仕事に費やすのだから、万が一上手くいかない状況に陥ると逃げ場が失われてしまう。仕事だから好きなままやっていけるという余程の自信がない限りリスクは大きい。無給のボランティアでいつでも辞められるなら別だが、仕事なら話は違う。ノルマやこなさなければならないタスクや目標や人間関係や、逃げられない多くのストレッサーを「楽しみ」に持ち込むのはお勧めしない。大切な逃げ場はテンション維持の緩める場として取っておきたい。
後半のこの様な対処に関する記述は非常にためになる。すぐにでも実践できるものばかりで、面倒なら後半のみ読むのも良いだろう。だが原因やプロセス、分類をしっかり追って理解することで、より一層自分に合った対処ができるという点で、頭から読むことをおすすめする。
私も会社のストレスチェックで90%(基準は判らない)の診断を受けて産業医面談を何度か受けたが、会話の後に「大丈夫!あなたは強いから問題なし」と言われた時は、何を根拠に、と感じたが、今日も元気に1日のやる事を想像してるからきっと大丈夫なんだろう…。毎月80時間近い残業を続けながら会社の洗面台で鏡に映るややボサボサの頭、ハンカチを忘れた事に気付くと少し不安だ。 -
ストレスとは何かを知り、対処する。
マイナスストレス刺激はなかなか避け難いので、薄めるように多様な刺激を受けることが良いというのは、勉強になった。 -
ストレス解消の本はたくさん見かけるけどストレス自体の事を知ったのは初めて!!
ストレスというものが分からないと対処しようがないので困ってる人は読んでみてください。 -
著者は元自衛官であるためか、戦争におけるストレス障害、PTSDについての記述が多いが、通常の読者には有益ではないと思われる。
脳のモードを切り替える、脳も同じところばかり使うと疲れやすくなるなどの記載があるが、脳のどの部分がどのような因果関係により、そうなるのかなどの、科学的なデータに基づく説明が一切ない。
著者の臨床経験からの体験的な意見を述べているだけ。
印象に残った箇所は以下のとおり。
p.17
「失敗したら嫌だ。失敗したくない」
いくら考えても決して答えが出ない疑問を抱いたり、その疑問に固執して思考を巡らせたりしている。
戦術においては戦いの4要素であるわれ自分、敵(ストレス)、時間、空間(置かれた状況)を一定のプロセスのもとに考察する。
ある難題にぶつかった場合、その問題にどのような形で対処するかという目的を明確にします。その後四つの要素、それぞれを分析し自分の取るべき行動方針を経時的に列挙します。その自分のそれぞれの行動方針に対してストレスである敵がどのように降りかかるのか、敵の可能性行動を想定します。その結果、最終的にどの行動方針が最適化であるかを比較分析するわけです。戦いに対するシミュレーション思考はまさしくプロセス追求型の思考です。
人が窮地に立った場合やプレッシャーを感じとき、悩みを抱えた場合は結果追求型の思考様式に陥りやすくなります。成績を残せないゴルファーほど、結果のみに集中するようになり、好成績を残しているゴルファーは「何が良かったのか、改善すべきは何か」とどんどんプロセス思考になる。
20
プロセスを考えることは自分がするべきことを分析すること。全ての結果が希望通りになるはずはない。結果は自分が努力したプロセスについてくる。
96
認知症の疫学調査では若い頃に楽をして生活した人と黒を繰り返した人では認知症になる危険度が黒を繰り返した人の方が有意に高いという事実が検証されている
ストレス障害ではその症状としても認知機能は低下しますが長期間にわたりストレスにさらされると老後の認知症にもつながっている
157
ストレス障害ですべきこと
①刺激を避けようとしているブロックを取り去ること
②プラス刺激を取り入れること
プラス刺激によって、ダラダラと頭の中で渦巻いている不安や怒りの感情を、一時的に断ち切ることが重要。
職場のストレス環境は変えようがないことが大半であるので、休日の過ごし方を工夫する。
③周辺の脳を活動させること
ストレスの原因となってること以外の刺激を加えて、脳の活動を積極的に行う
④ストレス避けるものではなく薄めるもの
他社からのストレスは自分の意思に関わりなく勝手に侵入する
日常生活はあらゆるストレスとの戦い。
一方的に降りかかるストレスに対して逃げることはできません。
仕事が苦しいから、休日の遊びが楽しい。
⑤興奮した局所の脳の沈静化を図ること
162
してはならないこと
仕事などのストレスで休日にだらだらしたり二度寝や昼寝をしたりなどして休むと結局仕事のことが頭から離れません
ストレス対処は、ある意味戦いである
ストレス障害の人のマイナス思考の特徴として反省と後悔は、自己否定の感情に繋がりやすい。
自己否定は自分にとって最悪のメッセージ。
197
仕事のストレスで潰れる人の共通項
休日に横になって休んでいる -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001101194