カラー版-日本画の歴史 近代篇-狩野派の崩壊から院展・官展の隆盛まで (中公新書 2513)
- 中央公論新社 (2018年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121025135
作品紹介・あらすじ
大和絵、狩野派、浮世絵など日本伝統の絵画は、開国後、西洋絵画と出会った。日本美術はフェノロサによって評価され「日本画」が成立、岡倉天心らの努力により発展した。
近代篇では、幕末に盛んになった横浜浮世絵・南画から説き起こす。そして、富国強兵の空気の中、国家主導で堂々たる作品が数多く制作された国家形成期の明治、人文主義を背景にのびやかな画風が完成した大正を描く。主要な日本画を多数収載。
感想・レビュー・書評
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明治から大正くらいまでの日本画の通覧ができる。
明治・大正の南画はあまり取り上げられることがないので貴重詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
尾道の図書館で読む。
文人画というのが、どうにもよくわからなかった。フェノロサがあれは美術でなくて文学だ、と『美術真説』で断じたというのは、なんかわかる。フェノロサの発言以降、文人画が衰退していったのは初めて知った。
フェノロサの説いた、「美術には妙想(イデア)が必要である」が当時の日本画家に理解できなかったはっきり書かれている。同時代に油絵を描いていた高橋由一には理解できたのであろうか。 -
関係ない図が多すぎじゃない?
文脈にそってもう少し絵を入れて欲しかった。
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日本伝統の絵画は、開国後西洋絵画と出会い、日本らしさを模索する。フェノロサ、岡倉天心らを中心にどう発展するか。日本画の入門書
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作品は知っていたが、その作家の背景、関係性まで分かった。
日本画のように近いものこそ実はよく知らないことを再認識した。
知らない画家も多く、また、多くの画家の哲学、想いまで知れて、一気に読み遂げた。
奇想の系譜のように、この本に基づいた展覧会を是非見てみたい。とにかく選ばれた図版とその印刷品質が素晴らしかった。 -
明治維新前後から大正時代にかけての「日本画」の歴史を概観する。開国後、大和絵や狩野派、浮世絵など日本の伝統的絵画は、西洋絵画と対比するために「日本画」と呼ばれるようになった。その近代化の歩みは写実化と言ってよい。2次元の世界の3次元表現。
南画、浮世絵に始まり、明治・大正期の日本画の歴史を、カラーの図版と共に、解説する。
フェノロサや岡倉天心の影響に始まり、さまざまな画家、その師弟関係や交流、また流派どうしの争い・離散集合が描かれる。
日本画家の名前は読みにくい。初出でルビが振られているものの、画家名索引が、ルビ付きであるとよかった。 -
自分が好む傾向の絵がどのような流れで出てきたのかが何となく繋がったのがいちばんの収穫。
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東2法経図・6F開架 B1/5/2513/K